第28話 低確率スキル

※後で前話と順番入れ替え予定。




ソシャゲ『迷宮』




俺は現在、第六階層をウロウロして、突破口が見出せない訳だが、一応、あの日、美空社長にアドバイスをもらっていたりする。



「ふむふむふむ・・・ふむふむふむふむ」



俺のキャラのスキル構成を見ながら、こっちを見て、少しニヤつく美空社長。(え、何スか)と言いたいのを堪える。



「装備していない呪符も見たが、『良い物』も結構あるじゃないか?どうして使わない?」



「良い物? どれがです?」



「これとかコレとか」


美空社長はスマホを覗き込んで指を刺す、結構距離が近くて、やり辛い。



「それ、発動確率10%も無い奴じゃないですか、こんなのが良い物?」




「確率は低いが、当たった時のリターンは大きい・・・私は仕事柄、当たるか当たらないかよく分からないモノに投資するのは結構好きだぞ」



「・・・」

この人の言うことはスケールがデカすぎて参考にならん。



「まぁこれは所詮ゲーム、失敗しても財産を取られたり、命を失う訳じゃ無い」



・・・それに仮に瀕死になってもTAPしてくれる仲間も居るだろ?




そんなアドバイスをもらったので、早速実践してみる。



第六階層の難敵との戦闘

また、なぶり殺されそう。



あー、体力減ってきた・・・



死ぬ死ぬ・・・



お、攻撃を回避

回避モーションの確率もかなり低いはずなのに、



でも、こんなの焼石に水

ただの時間稼・・・



と思った瞬間、

装備していた10%スキルが発動、畳み掛ける様に固有も発動して・・・




勝ったーー!!!




心臓バクバクいってる。

勝った!勝った!



興奮冷めないまま、咲宮さんと竜宮寺のいるグループチャットに報告した。


次の日、会社では、にやけが止まらず、同僚に気持ち悪がられたが、嬉しいものはしょうがない。




  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る