第15話 オフ会当日




俺は10分前に駅前の待ち合わせ場所に着く。





来ないんじゃないかと思われた咲宮さんは

3分前くらいに到着する。


腕時計を見ながらびしっと立つ姿は、なんだかカッコいい。

ちょっとビジネススーツっぽい服装に見えなくもないが

スタイルが良いので何を着てもエッッッではなく、良く似合っている。



そして、龍宮寺は5分ぐらい遅れてやってくる。

おい、言い出しっぺ・・・




「とーかさん!!何そのカッコ、堅い堅いよ・・・でもそれが逆に背徳的って事なの?」




「黙りなさい」

エッッッッと言いかける龍宮寺を咲宮さんは締め上げる。




「ね?わっしーもそう思うでしょ?」




俺はぷいと違う方向を向いて聞こえなかった振りをする。

やめて、同意を求めないで






$$$






「さて、改めまして、オフ会を始めたいと思いますッ!」




ファミレスに入って席に座る。

咲宮さんと龍宮寺はテーブルを挟んで向こう側だ。


龍宮寺の高いテンションに俺も咲宮さんも遠慮気味に対応する。

まぁ社会人なのであまりハイテンションで騒いでもねぇ



まずは自己紹介、名前と迷宮の『到達階層』を答える事になった。

ソシャゲ迷宮は全部で13階層あるとされ、現在ネット記事上では7階層まで到達した猛者が居るらしいという噂である。



「鷲尾壮太、5階層だ」



そう答えた瞬間、二人とも目を丸くする。

「すごい」

咲宮さんは4階層だそうで、尊敬のまなざしで俺を見てくる。

こんなソシャゲでマウント取るのどうかと思うけど、ちょっと嬉しい。




「龍宮寺楓、1階層!!」




最期に龍宮寺の自己紹介

1階層?

聞き違えかと思ったけど、まだ1階層らしい。

「1階層はチュートリアルみたいなものだけど?」



「あー何、その視線、二人とも馬鹿にしてー!!」



龍宮寺はぷんすか怒っている。




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