第4章 Königs tiger

これまでのあらすじ

(まえがき)

獅子吼ちゃんの出てくる本編は昨年5月以来という事もありこれまでのあらすじです。




第1章 獅子と白騎士王


 獅子吼ししく玲緒奈れおなは女子高生である。


 彼女は部活動においては1年生の時に全国大会優勝の成績を納めるほどに才気溢れる生徒であったが、家庭の事情により2年生の時に部活を辞めて家業を手伝わなくてはならなくなってしまう。


 その後、状況は好転し家業の手伝いからは開放されるも一度止めた部活に再び参加する気にはなれず若い情熱を向ける先を見失ったまま3年生に進級する。


 4月、暇を持て余した玲緒奈は姉が努めるゲーム会社が正式リリースした「鉄騎戦線ジャッカルONLINE」をプレイする事にした。


 最初は姉を応援するくらいのつもりで手を出した玲緒奈であったが、完全没入型のVRヴァーチャル・リアリティーがもたらすリアルな世界に彼女は徐々にのめり込みだしていく。


 ゲーム内でのプレイヤーは頭頂高14~16mほどのロボットであるHuMoを駆る個人経営の傭兵となり、架空の惑星「トワイライト」の中立都市「サンセット」を拠点に依頼を受ける事となる。

 敵は武装犯罪者集団やトワイライトで覇権を争う周辺の三大勢力たち。


 その架空現実の世界において人並の生活ができず、地球化テラ・フォーミングされたばかりの荒野で武装犯罪者集団ハイエナと命がけで争う個人経営たちの傭兵たちは畏怖をある種の侮蔑を込めて「ジャッカル」と呼ばれていた。


 玲緒奈も1人のジャッカルとして、ゲームの進行をサポートするユーザー補助AIであるマモルとともに次々に依頼をこなしていく。


 バイトで得た給料でゲームに課金し、さらに初期配布機体を初手から売却した事で早い段階からランク3の機体である「ニムロッド」を入手し玲緒奈はスタートダッシュを決めたと得意満面であったが、彼女の鼻っ柱を圧し折る事件が起きる。


 姉の理想を突き詰めた産物、ゲーム内での力の象徴である中立都市防衛隊のフラッグシップ機である「ホワイトナイト・ノーブル」があるプレイヤーによって強奪され、運営チームによって奪還のための緊急ミッションが発令されたのだ。


 玲緒奈も奪還ミッションに参加。

 機体の背面装甲を取り払って軽量化するという方法で機動力を確保して、一度は逃走するホワイトナイト・ノーブルに肉薄するものの機体の性能差によってあえなく撃破されてしまう。


 再戦を期して再び出撃するものの、ノーブルは他のHuMoが踏み込めない領域へと逃げ込む事でミッションの残り時間をやり過ごす。


 完全に出し抜かれてしまった玲緒奈はノーブルとそれを奪ったプレイヤーへの雪辱を誓う。


 諦める事には慣れてしまっていた少女も負ける事は許せなかったのだ。


 獅子吼玲於奈、ハンドルネーム「ライオネス」のリベンジの旅路が幕を開ける。






第2章 逆襲の狼煙


 ホワイトナイト・ノーブルへの雪辱を誓ったライオネスはゲームの世界で様々な者たちと出会いながら復讐の刃を研いでいく。


 偶然に知り合ったプレイヤー「マーカス」のユーザー補助AIである「サブリナ」とは共にミッションを戦う事で友情を育み、高校の同級生である「中山なかやま萌仁香もにかHNハンドルネーム:サンタモニカ)」も「鉄騎戦線ジャッカル」のプレイヤーである事も判明し以後、サンタモニカの補助AIであるトミーとジーナと幾つもの戦場を供にする仲となっていた。


 そんな中でライオネスとサンタモニカは本来ならばまだ実装の予定が無いハズだという大型ミッションが依頼募集の掲示板に掲載されているのを発見する。


 軽い気持ちでその大型ミッションに参加を決めるものの、本来ならばもっと後の段階で事前に選抜されたプレイヤーのみが参加できるハズのミッションは手強く、BOSS機体である「陽炎」とその護衛機である「月光」によりプレイヤー側は多数の戦力を損耗。


 ライオネスの救援要請により駆けつけたサブリナの活躍もあり第1ウェーブの敵は退けたものの第2ウェーブを戦い抜けるだけの戦力は残っていなかった。


 ウェーブ間の合間、ゲーム世界の進行を妨げる事がないようにこの大型ミッションをプレイヤーたちにクリアしてもらうために駆けつけた姉が交渉し、依頼主であるトクシカ氏に報酬を前払いしてもらう形でプレイヤーたちに強化アイテムである「改修キット」が配布されてライオネスのニムロッドは「ニムロッド・カスタムⅢ」へと強化される。


 それでも戦力が乏しい事態が完全に払拭されたわけではないが、サブリナが機転を利かせてマーカスを早くゲーム内にログインして救援に来るよう促すが、ライオネスにはそれがどれほどの助けになるかその時には未だ未知数であった。


 そして始まった第2ウェーブ。


 単機でさえ苦渋を舐めさせられた陽炎が4機も出現するという異常事態にプレイヤー側は苦戦を余儀なくされるが、それでも第一ウェーブを生き残ったプレイヤーやNPCたちは徹底抗戦。


 その苦労が実を結んだかのように遥か遠方の上空から大出力ビームが降り注ぎ3機の陽炎をあっという間に撃破。

 ビームの射手は姿を現さなかったものの、その後すぐに駆けつけてきたマーカスとライオネスの姉の補助AIであるマサムネの手により陽炎のパイロットは射殺され機体は奪取される。


 その後、ライオネスは残る月光との対決を単騎で行う事にする。


 全てはホワイトナイト・ノーブルとの再戦のため。


 だがニムロッド・カスタムⅢの性能をもってしても格上のステルス機である月光との戦闘は劣勢。


 それでも負けを認められないライオネスは必死で敵に食らいついていき、ついに運営チームでも想定外の境地へと達する。


「CODE:BOM-BA-YE」

 闘争の中で過剰に分泌された脳内物質の値が一定値を超える際に発生する一種のバグである。


 本来ならば「現実世界の脳がゲーム世界の肉体を動かしてHuMoの操縦をする」という形が間をすっ飛ばしてHuMoを自分の肉体のように動かす事態が発生。


 人間さながらの格闘能力を発揮したニムロッド・カスタムⅢはついに月光を撃破し大型ミッションをクリアするのであった。






第3章 騎士王討伐に備えよ!


 トクシカ氏護衛の大型ミッションの翌日。

 姉から助けを求められたライオネスたちは姉のユーザー補助AIであるマサムネと対決する。


 再び自身も知らない内に「CODE:BOM-BA-YE」を発動したライオネスはマサムネを撃破するが、実はそれは姉の狂言であった。


「CODE:BOM-BA-YE」のデータを収集しほくそ笑む姉の事など知らずにライオネスとサンタモニカは週末に開催されるイベントに備えて準備をしていく。


 開催されるイベント「バトルアリーナ4on4」は4人でチームを作って複数用意されたステージで戦い、成績により報酬が配布されるというものである。

 参加できるのはプレイヤーのみ、ユーザー補助AIは参加できないという制約のために2人はチームメンバー集めから始めなければならなかった。


ライオネスは上位入賞の景品であるランク6機体「竜波」を目指してイベント参加。


 マーカスはイベントに参加できるランク4以下の機体を初期配布機体しか所有していなかったために参加できず、見ず知らずの者を誘うしかなかったライオネスは「ヒロミチ」というハンドルネームの青年と出会う。


 供にミッションを戦って、互いの技量を確認したライオネスにヒロミチは自身の婚約者だという「クリス」という女性を紹介される。


 ヒロミチとクリス、そしてライオネスはそれぞれホワイトナイト・ノーブルに雪辱を誓っている者だと判明して意気投合。

 3人にサンタモニカを加えた4人でチームを組んでイベントを戦う事となった。


 ヒロミチはライオネスにイベントの先を見据えて指揮官への道を提示し、そのために今回のイベントは接近戦を得意とするライオネスに支援機としての役割を担わせる。


 そしてイベント本番。


「鉄騎戦線ジャッカル」をβ版の時点からやりこんでいるヒロミチに、別のゲームでならしたクリス、ランク4.5の機体をこの時点で唯一所有しているライオネスに3人のサポートをこなすサンタモニカのチームは上手くかみ合い勝利を重ねていく。


 そして3戦目。

 ヒロミチも知るβ版時代の一流プレイヤーたちのチームにライオネスたちは苦戦するものの勝利への執着で「CODE:BOM-BA-YE」を発動。


 突如としてイベントステージ上空へ現れた空中船の大船団に敵が気を取られた瞬間を突いてついに勝利を納めるのであった。




そして……。




(あとがき)

お詫びというかなんというか。

2月の頭に番外編を書き終えた後に「キリも良いし何日か休んでもええやろ!」と深酒をしてから早朝に道がアイスバーンでツルッツルの時にゴミを捨てに行ったら転んで左の手首にヒビ入っちゃいました。

完全に使えないわけじゃないけど仕事の疲労がヤバイし、しばらくタイピングしてると患部が熱を持ってしんどいんでしばらく休んでました。


そんなわけでもうしばらく今までより更新が遅れる時が増えるかもしれません。

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