Fiction

おちば

第1話

私の人生は誰のもの?


昔から、生きている実感がなかった。

私と私以外の人で人生が違うように回っていて、同じ場所にいるのに取り残されているようだった。


姉は誰からも好かれて、頼りにされて、色んなことを任されていたけど、私はいつもポツリとそこに佇んで、誰もそれに関心がないのだと思っていた。


「あんたには出来ないよ」

「似合わないよ、こっちの方がいいよ」

「邪魔だからこっちこないで」

「またお前か」


邪魔にならないように控えめに生きようと思った。私と私以外で、許されることと許されないことがあるのだと知った。


感情は死んだ。


泣きつかれて虚しくなるだけだと分かっているから。

嬉しくも楽しくも面白くもないのにへらへらし過ぎて目が死んでると言われるようになった。

どうでもよかった。


周りの友達が結婚して、誰の人生にも私はいらないのだと知った。

逆立ちしても家族になれないことに泣いた。


現実に期待しないようにした。

しあわせになりたかった。

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