第9話 創造

2028年 5/3 9:00




「...ろう..小太郎!」




俺ははっと目覚めた。


そうだタクシー代を払わなくては。


俺は財布を出し、慌てて1万円札を出す。


するとそこには母がいた。




「何寝ぼけてんの?廊下なんかで寝てないで早く起きて」




俺はどうやら廊下で寝てたらしい。


タクシーの料金はそういや払ったな...


とりあえず俺は風呂に入って、事務所へいった。


今日はみんなで取引先への売り込み方法を会議する予定...なのだが案の定誰も来てない。


まあまだ10時だしな、無理もない。


俺も起こされなかったら昼は過ぎてたかもしれない。


いや、まあ本来は10時でもダメなんだけど...


社畜時代ならしばき倒されそうだ。


そんなことを思いながらパソコンの異常チェックや、取引先の候補リストなどを作っていると、誰か来た。




「遅れてすまん!怒ってる?」


「いや、大丈夫。俺も遅れてきたから。」




来たのは哲也だった。哲也も親に起こされて、慌てて来たようだ。


その他のやつは一人暮らしなのでもうすこし遅れるかな...


そう思ってたが二人ともその数分後には来た。




「遅れたわ!マジすまん!」




そんな感じのことを言いながら二人とも来た。




「そろったし、早速会議しようか。」


「海の作った資料をまずはみんなで確認しよう。」




そう言って海の作った取引先への資料を見た。


ところどころ細かい数値は違ったが、ほぼ完璧で、現代でも通用するくらいの出来だった。


なんやかんや資料の訂正をしていると、あることに悠太が気づいた。




「どうやって取引先と連絡すんの?」


「....」




全員黙ってしまった。


よくよく考えたら電話線もないし、会社用のメールアドレスもない。


こりゃやべえ。


とりあえず俺は仮のメアドを急いで作り、会議を続けた。




「どこの会社にする?」




そう聞くとみんなは大手企業の名前を上げた。


俺も大手企業にしたいのは山々なのだが、こんな創業したての会社信用してくれるんかね?


ただこのシステムは多くの人に使ってもらわなきゃ効果は薄い、なのでやはりそうなってしまうのか...


そんなことを考えていると、また悠太が思いついた。




「なら自分たちでアプリを作るのは?」




俺はそれを聞いたときとてもしっくり来た。


アプリ作りなら今も動いてるAI用のパソコンを使わずノートパソコンでできるし、作ってる間に多くにデータがAIは得られる。


俺はすぐにその意見に乗った。


みんなも同意見だ。


こうしてアプリ開発をすることになった。


海が作った資料は残念ながらお預けだ。


こうしてまたパソコンとのにらめっこが始まった。


また俺たちはプログラミング担当、海はアイコンとかを担当してくれる。


このアプリのコンセプトは分からないをなくすで、


もし知らない料理や、あの食パン止めるやつ。


そんなものの名前が知りたい時にこいつは役に立つ。


写真をとるだけだし、楽だろう。


今度は二週間程度でできた。


まあ1から作るわけじゃないしな。


アプリは高齢者でもわかりやすいように、直感的に作った。


あとはリリースするだけなのだが、困ったことがある。


それはサーバーを借りなきゃいけないことだ。


お金がなくて俺たちは困っている。


ひとまず安いサーバーから借りて、様子を見ることにした。


金がねえと飲みにすらいけねえー!


こうして俺はだんだんと減っていく通帳の預金額を見ながら、


アプリの成功を祈った。

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