第3話 期待

2081年 5/8 16:00




一休みして、やることもなくなったのでまた戻ることにした。


次は文化祭二日目で、木村さんと一緒に回ることになっている。


鼻歌交じりでもしかしたら今の生活に嫁ができるかもしれないという期待に胸を躍らせ、タイムトラベラーに乗り、文化祭の日付を入れた。




2022年 11/21 7:20




今日は前より早い時間に来た。昨日のお弁当のことを思い出すと朝ごはんが楽しみだからだ。


朝ごはんは卵焼きやみそ汁と言った現代でもありきたりな朝ごはんだった。




「母さん、ごはんおいしいよ!」


「ありがとう、今日はやけに気分がよさそうね。彼女でもできた?」




そういわれ耳まで真っ赤にして、「いや、別に」となんともないように答えた。


この年にして思春期が来たと感じた。うれしいような恥ずかしいような複雑な気持ちだ....


すぐに食べ終えるとそそくさと準備して「行ってきます」とだけ言って学校へ向かった。




スマホで確認するとどうやら校門あたりで待ち合わせしているようだった。


ところが彼女は開始時刻になっても現れなかった。もしかしたら教室にいるかもしれない、そう思い自分でも驚くほどの駆け足で向かった。


そこに彼女はいた。彼女は驚いた顔でこちらを見ている。俺は安心し人ごみの中手を振った。


すると彼女は申し訳なさそうな顔でこちらに手を合わせ、見覚えのある男と楽しそうに会話を始めた。




2081年 5/8 16:00




思わず現代に戻りしばらく固まってしまった。


何が起こったんだ、誰だあの男は、そんなことをひたすら考えていた。




とりあえずあの男は誰なのかを確認するためにもう一度あそこへ戻った。




2022年 11/22 10:05




もう一度教室へ戻って来た。


今度はあいつが誰なのか確認するために近づいて行く。




「木村さん」




彼女は下を向き黙っている




「ごめん、君誰?」




そう隣にいる顔の整った男が言う。


顔を見るとそいつは生徒会長だった。


そいつは現代でも名の知れた有名企業の社長で、当時から親が社長やらなんやらで話題に上がることも多かった




「木村さんとは付き合ってるんですか?」




おもわず聞いてしまった。


そいつはめんどくさそうな顔をしながら「あぁ」とだけ答えて他の場所へ行ってしまった。




2081年 5/8 16:30




俺はどうやったらあいつと木村さんとの中を引き裂けるか考えた。


考えた方法としてあいつとの接触を避けさせるとか、先に付き合うとかいろいろ考えた。


こんだけ生きてきてこんな方法しか思い浮かばない俺が悔しい。


とりあえずいい方法が思いついたので試すことにした




2022年 4/10 9:00




俺は彼女とあいつが接触するのをできるだけ減らすことを考えた。


彼女は確か生徒会だったはずだ


まずは彼女が生徒会へ立候補するのを阻止しようと考えた




「生徒会に立候補したい人は手をあげてください」




ここからが問題だ生徒会は男一人女一人、波の方法だと不可能だろう。


そこで俺はクラスメイトであり、幼馴染である金田聖子に手伝ってもらうことにした。


当時高校に入ってからも唯一俺に偏見を持たずに接してくれたやつで、とにかくお金にがめつい。


当時何回かわざと財布を忘れてきておごってもらったり、中学の頃は好きでもない親が金持ちの男と付き合ってそいつの小遣いと貯金を全部使わせる等なかなか凶悪な女だ。


生徒会長のことをいうと俺が立候補のことを提案する前に乗り気で立候補することを決めた。


そして俺自身も立候補し、会長を見張ることにした。




そして俺含めた三人が手を上げる。


男子はほかにいなかった。


こうして女子はじゃんけんとなったのだが無事勝ってくれた。まあ何回でもやり直せるが


こうして俺は文化祭までに過去を行き来しながら成功するように仕向けた




ある日


「お前なんかいっつも俺のそばにいない?」




会長からそう言われ焦ったが




「いや、会長の仕事を今から覚えておきたくて」




俺は次期会長を狙ってる設定なのでそういった。


「熱心なやつ」とだけ言われたが怪しまれることはなかった


にしてもこいつ木村さんと接触する気配が全くない。


俺までめんどくさい生徒会行く必要なかったか?




こうして文化祭の規格決めが始まった。


変わらずタピオカ屋で、係もほぼ前と変わらなかった。


ところが、生徒会でやるものがあることをすっかり忘れていた。


おれは何とか二日目の係に回してもらった




2022年 11/22 10:00




「今日はよろしく」


「おう」




またこの日がやってきた。


今回はできるだけ俺か話しかけることにした




~お昼休憩~




「大丈夫?疲れてない?」


「うん、ありがとう!」




前よりも反応がいい。


きっとこれなら成功するだろう




~一日目終了後~




「木村さん、今日はありがとう。もしよかったらなんだけど明日一緒に回らない?」


「うん!あと彩でいいよ!」




順調だ明日俺から校門の前で待ち合わせをと提案し、緊張しながら現代へ帰った




2081年 5/9 00:00




なんやかんや少しずつ休みながらタイムトラベルしているとこんな時間になってしまった。


今日は寝ることにした。


明日成功するかどうか、不安を抱えながら気づかぬうちに寝た。




続く

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