過去に戻れるなら俺は絶対に幸せになれるはず
@spider_koisan
第1話 過去へ
2081年 5/7 20:19
俺は雲野 小太郎、いまから歴史に名を刻む人物だ。
たった今過去に戻れる機械、タイムトラベラーを完成させた。
仕事を50の時にやめて25年余りこいつを完成させるためだけに人生を捧げてきた。
「これを使えば俺の人生も…」
俺は直ぐにこいつに飛び乗り、悲惨だった学生時代をまずはやり直すべく過去へ戻った。
2022年 4/8 7:20
♪♪♪
当時好きだった歌手のアラームで目覚める朝だ。懐かしい。
「おはよう。ご飯できてるよ」
数年ぶりに聞く母親の声、元気な姿を見るのはいつぶりだろう、もうこの時点で感動している。
「うん」
久々にする母親との会話、俺は当時を思い出しながらぎこちなく喋る。多分俺は母親との会話にうんしか使っていなかったと思う。
「今日は元気ない?入学式なんやからもっと張り切っていきや」
「うん」
今日は高校の入学式。第1志望ではなかったがそこそこの学校には受かり当時この時はまだなんとも思っていなかった。それどころか中学校が楽しかったためか、期待すらしていたはずだ
「いってらっしゃい」
「いってきます」
俺は久々の学校になんだか懐かしい気持ちを抱えながらいつもより軽い体で歩いていった。
~教室~
「それでは皆さん自己紹介をお願いします」
「俺の名前は梶野哲也です!~中学校出身で…」
段々と俺の番が近づいて来る。忘れもしないあの時、あれから俺の高校生活は狂ったんだ…
当時の雲野
「俺の名前は雲野小太郎、~中学校出身で、趣味は麻雀とゲームで、平穏な学校生活を送りたいです。よろしくお願いします。」
「え、麻雀?」「麻雀とか、おっさんかよ」「もしかしてヤバいやつらと繋がってるとか…?」
俺は中学校時代に麻雀にはまり、それ以来インターネットや親戚と麻雀をして楽しんでいた。
その事を俺は別に変だとも思っていなかったし、こんなに偏見を持たれるとは思っていなかった。
このことがあってからは俺は教室でほとんど誰とも馴染めず、偏見の目を向けられながら最終的に空気と化し高校生活を終えた
そんなことを思い出しているともう次だ
「私の名前は木村彩です。~中学校出身で、好きなことはピアノと…」
とうとう出番だ
「俺の名前は雲野小太郎です。趣味ははゲームでクマブロとか、TLEX MONSTERSというゲームをやったりしています。人と一緒にやったりするのが好きなので気軽に声掛けてください」
「あいつクマブロやってんだ。」
「強いんかな?」「おれTモン周りにやってる人いねぇから嬉しいわ」
いい感じだ。周りからの評価はいいし、俺に興味を持ってる人も多い。今となっては廃れたゲームたちだが、振り返ってみてもあれは面白かった。
「僕の名前は渡辺 康太です。趣味は読書で…」
全員分終わった。これからが問題だ。しっかり周りと話せるかどうか…
「はい!皆の自己紹介が終わったところで、休み時間です!この学校は…」
~休み時間~
数人俺の所へ歩いてきた
「雲野…だっけ?クマブロやってるんだろ!戦闘力どれくらい?」「Tモンどれ使ってんの?」「早速だけど今日一緒にできる?」
こちらからも質問を交えながら質問に答えていく。過去に行く前に予習しといて正解だった。予想以上にみんな俺に話しかけてくれて嬉しかった。俺はこの時点で高校時代の成功を確信した。
「はい!皆さん初めての高校お疲れ様でした!それではみなさんさようなら!」
~帰り道~
一緒の方向に帰るやつはいなかったが、さっき一緒に約束したことを考えながら上機嫌で帰った。スキップしながら帰るのなんて幼稚園ぶりだ…多分。
「ただいま」
「おかえり、高校どうだった?」
「楽しかったよ」
「そう、良かったわ」
なぜだかここの会話には覚えがある。だが、当時は嘘をついて楽しかったと答えて、オンラインで麻雀をしながら寝落ちした覚えがある。
さすがに60年前のゲームなんてまともに操作できる訳もなく、バカにされると思うので後は俺?に任せて今日は現代へ帰ることにした
2081年 5月7日 20:20
今日の日記を見る。
「今日は久々に高校時代のやつと会った。みんな元気そうでなによりだった。」
本来であれば高校時代のやつなんて1文字も覚えてないだろう。タイムトラベルしたかいがあった。
久々の学校生活に満足感を覚えながらいつもより少し早く眠りに落ちた
つづく
補足
タイムトラベラー
2021年にはない、不思議な形をしたバイクに似たもので、日付または、大まかに出来事を入れるとその時代へ行ける。帰る時は帰りたいと思うことで帰れる。
クマブロ,TLEX MONSTERS
架空のゲーム名。実際にあるゲームの名前をモデルにしている。
この物語はフィクションです。
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