第2話 おっさんの隣に居た件!

 いつものおっさんだ。

 ぼさぼさ頭で身長165cmくらいの中肉中背、他のおっさん’sとの違いといえば、探偵ものの漫画に出てくる柔道の背負い投げが得意なあの人とそっくりなチョビ髭くらい。

 私達学園生の多くが利用する電車に同じ時間帯にカバン類を何も持たずに乗る20代後半〜30代中半のおっさん(おそらくは親の脛をかじって生活してるであろう自宅警備員ニート)。

 きっとなんにも苦労してないんだろうなぁ〜。

 はぁあ~ぁ、ある意味羨ましい。

 私は同じ学園の麗しき可憐な高嶺の花・四之宮神楽しのみや かぐら先輩(♀)に恋する乙女(♀)。

 私もそんな四ノ宮先輩に好かれたいけど、あの低身長なおっさんよりも身長が高いし胸もそこまで大きくない(Bcup~Ccupを行ったり来たり)だし何よりも四ノ宮先輩と結婚したいと常日頃から思ってアプローチを繰り返す日々。

 こんな私を嫌ってはいないようでお話ししてくれる時は多々ある。

 本当に嫌なら「嫌だからしないで」って言ってもいいと私が言ったコトもあるが、先輩は「羽美ちゃんと話すのも楽しいよ?」と言ってもらえたので、その瞬間私の鼻から大量のトマトジュースが放射されたコトもあったっけ……。

「イイ!『実にイイ思い出だ!!』ふひひ、ふへへ、ぐぺぺ……」

 私の脳内の99%は常に四ノ宮先輩で出来ている。

 クラスメイトからは総突っ込みの対象らしいがそんなの関係ない!いつか四之宮先輩を食べる(モチロン性的に)!

 

 そんな、四之宮先輩のコトをいつもいつも考えると……。

 ハァハァハァハッ…… ンンン!! ああっ…… 電車の中でイッちゃったぁ……。

 この指で四之宮先輩の××を破りたい。そして私も四之宮先輩の指で気持ち良くなりたい。ふぁあ……。眠っ。

 ポンピーンーー。

「次は奈良蔵ならくら〜、次は奈良蔵ならくら〜」

 電車からいつものおっさんが降りる。何をして暇な時間を過ごしてるのやら。

 私には関係ない。そう思ってたし、関わるのはこの電車の中で少し過ごすだけだと思ってたんだけど……。

 私はいつも四之宮先輩だけを追っている。貴女が好きだから。

 貴女は今何処に居るの?

 ずっとずっとずっとずっと私を見つめて!

 ソレは私の願望……に近い欲望……かな?


 奈良蔵に着いたのであのおっさんが車外へ。

 私は音楽(四之宮先輩の声を録音したモノ)を聴きながら家の最寄駅、獏良ばくらまで目を閉ざした。ハァハァ……。


 奈良蔵で降りたあの人の隣を歩く、私の想い人である四之宮先輩が居たコトを知らず。


 四之宮先輩……ポッ。ハァハァ……。

 貴女は今何処に居るの?

 私は今日も昨日も明日からも変わらず貴女を想ってます。私の心と身体は貴女の為に。

 そして今日も貴女を想いながらヤる。

 ××を破らないよう慎重に。この××は四之宮先輩に破ってほしいから……。

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