女子バスケ 近代五種の例のアレ

 女子バスケは銀でした! アメリカの壁は(物理的にも)高かった!

 いやほんと、第一クォーターのスリーが入らなかったこと、パスなどでミスが頻発したこと、結果としてリズムに乗れなかったこと……反省は色々。でも頑張った!

 

 忘れてはいけない。すでにレジェンドに両足から突っ込んだのだ!


 町田さんなんて五輪新のアシスト記録ですよ。頭の天辺までレジェンドにどっぷり浸かっております。二度漬けすら許されるレベル。あまりに高い壁に弾き返されてしまいましたが、今回のMVPは――、


 トーマス監督! 最後までブチ切れ、選手を信じているように見えました!


 もう集合写真ではやれることやり尽くした好々爺みたいな雰囲気になっちゃってるじゃないですか。お疲れさまです。そして夢をありがとうございました。あとアメリカのブリトニー・グリナーさん2m超えの可愛さでした。あらゆる場所でハイスペック。すごい。


 さて。問題の例のアレ。

 元から見る予定でいて話を先に聞いちゃったっていうネタバレ的なアレ。

 そう近代五輪の馬術です。


 先に言いたい。被害者は馬のセイントボーイであって、ドイツの女子選手アニカ・シュロイさんでもドイツ監督キム・レイズナーさんでもありません。そして、もっといえば、最大の加害はセイントボーイを駄馬あつかいすることであります。

 

 近代五種競技とは、フェンシング、馬術、水泳、射撃、ランニング(射撃とランニングは統合)の五種をこなし、各競技で獲得したポイントで順位を争う種目です。そんな競技で、悲劇が起きました。


 全体で圧倒的な一位につけていたドイツの選手が、馬術で割り当てられた馬をコントロールできず馬上で大号泣、三十一位に転落したのです。とにかく言うことを聞いてくれないのでコーチがポクっと馬の尻をグーパンする始末。酷い。思いっきり殴った感じではないですが、それでも手ぇだす時点でどうなんですか。


 とはいえ、駄馬あつかいは酷い!


 近代五種の馬術は、馬術単体とは異なり抽選で引き当てた馬に乗って障害を越えます。抽選だから駄馬にあたる? とんでもない! 公募で集められた馬から選定されたのち、不公平がないように調教をすませてから五輪に登場するのです。


 馬と信頼関係を築くのに二十分しかない。だから? 二十分で信頼関係を作れなかった選手が悪いのです。


 ブラジルの選手なんか二度の落馬でも馬場を出るまで平静でいようと努めているじゃないですか。馬場を出たらさすがに泣いてしまっていますが、ミスをしたのは自分です。馬は何も悪くない。


 イギリスの選手は特段に折り合いがついたのかもしれませんが、最後は馬をねぎらっているじゃないですか。トルコの選手の最後の障害あたりの奇声は何? 本人の悲鳴? 喜んだの? 馬が驚くからやめよてあげて。あ、でも最後はペチペチねぎらってるじゃないですか!

 

 まず貸してもらってる馬なんです。訓練されてるんです。勝てたら馬のおかげなんですよ。負けたら選手が悪いんですよ。日本の高宮さんだって落馬でバーの上に落ちても真っ先に馬をなだめにいってるじゃないですか。


 ああ、これですね。ロシアの選手がセイントボーイをべしべし叩いて手綱ガンガン引いて……めっちゃ嫌がってるし。てか、なんで鞭を入れて手綱を引く。前に行かせたいのか止めたいのか。ようやく鐘が鳴ってセイントボーイも一安心ですよ。

 

 あ、エアジョディゼットに騎乗してるドイツの選手も折り合いついてないですね。これ女子ドイツ勢の乗馬技術が合ってない可能性ないですか? てか馬から降りるまでは平常心でいようよドイツ。


 もちろん相性もあるでしょうし、馬だってその日の気分もあるでしょう。一頭の馬が複数人を乗せるので疲れていたり苛立っていたりもします。そんなときのために予備馬も用意されていたはずで……乗り換えなかった選手が悪い。申請したのに受理されなかったって話も見ましたが、だとしたらそれはそれで大問題です、が。


 馬上で泣き出すとか言語道断でしょう。泣けば泣くほど馬も混乱しますよ。ほら泣き止んで前を向かせたらちゃんと飛んでるじゃないですか!


 私は言いたい。

 馬ガチャに外れたんじゃない。

 セイントボーイが騎手ガチャに外れたんだ。おつかれ。


 ……近代五種なのに馬の話しかしてない……なら、そうだ。

 ぜひ、同じ女子のベラルーシを見てください。馬は違いますけど、鞭を落としてからも普通に飛んでるんです。馬を信じて乗ってりゃいいんですよ。

 

 ほら見て! 最後は感謝の頬ずり! こういうのもっと見せて!

 

 まったく、最後の最後で、嫌な事件があったものだ……。

 閉会式を見て、嫌なことは忘れてしまおう。

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