実況

 ボクシングの入江聖奈いりえせなさんが女子フェザー級で金メダル! 初出場、初のメダル、本当におめでとうございます。これで心ゆくまでカエルを探しにいけますね! それからギリギリの死闘となった対戦相手フィリピンのペテシオさんもおめでとう。さあ感動の表彰台です。


「ブルーローズジャパンが、金色のバラ、ゴールデンローズに昇華しました!」


 はぁ? 実況、アタマ沸いてんの? 

 ブルーローズジャパンは近年になって成功し花言葉がかわった青いバラからとられていまして、意味合いとしては「夢は叶う」とかそういった感じになります。


 金のバラなんてのはありませんが、黄色いバラの意味合いは「嫉妬」とかそんなんです。意味が変わるんですよ。だいたいなんで青薔薇から金薔薇で昇華になるんですか。青いバラが花開きましたとかでいいだろうよ。大喜利じゃないんですからウマいこと表現しないでいいんです。


 今回、ホントそういうダメな感じのこと多い。


 スケボーの「十三歳 真夏の大冒険」とかウマいこと言おうとして滑りまくってるじゃないですか。だいたいにして大冒険ってチョイスに十三歳は子どもだから的なナメかたを感じます。頭のなかに「はじめてのおつかい」でも流してました? せめて真夏の挑戦あたりにしときましょうよ。


 そりゃね、ラジオと違って映像があるから淡々と語っても面白くないって思うのは分からないでもないですよ。でもね、実況が面白くてどうすんですか。面白いのは競技であって、競技の面白さを伝えるのが実況の仕事だろうがよぉ。


 ついでだから言うと野球。フェン直をホームラン、スリーボールを選びました、デッドボール無視などなどなど。あんたもうベテランでしょうが。しっかりしてくださいよほんとに。


 いえね? 別に私だっておもしろ実況がキライなわけじゃないんですよ。いつぞや話題になった「伸身の新月面が描く放物線は栄光への架け橋だ!」なんてギリギリのラインではありますが名実況枠に入ると思いますし。

 

 そういう意味では、意外にもフジの板飛び込みの実況は割合に落ち着いていて好感触だったりしましたよ。感情のこもった発言は「おっと」とか「これは……!?」とか抑制がきいております。テレビ的に日本の選手には手厚くなっていますがやりすぎにはなってませんしね。祝福の様子のリポートも耳障りにならなくていい。


 ……って、自転車! 団体パシュート! 選手の入れ替わり動作を説明しようとして「こうやって入れ替えていきます!」って、こうやってじゃねぇよ! 映像ありきじゃないか!


 先頭の選手がぐ~っと下がり真後ろについていた選手が~とかあるでしょうよ。名言実況を練ってる暇があるなら説明がいりそうな場所を完結に表現できるように準備しときましょうよ。実況の基本は映像がなくても伝わるようにじゃないんすか。


 ああ……ほら。「まずは最初の千キロ」とか言って訂正してさー。頭のなかラスト一周の名言でいっぱいになってませんか? 「ああ、もう(絶句)離れています!」じゃないんですよ。不慣れなのはわかったから解説の中野さんに「何mくらい離れてますかね?」とか聞きゃいいじゃないですか。で、意識高い実況はないんかーい!


 それはそれとしてオリンピックレコードでの金メダルおめでとうだよ、オランダ!


 ……もう。せっかくのお祭りだし、こんな愚痴っててもしょうがないのに。

 まぁ競技の感想を書くつもりで愚痴った私も私か‥…気をつけよう。

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