スケートボード

 実は、男子の方はチラっとしか見ていなかったりする。

 まーたエックスゲームスみたいな感じじゃろ、みたいなナメた心持ちでいたのが敗因であった。ロードレースの観戦で思考力が鈍麻していたのもある。

 見れば良かった……!

 おもしろいという話を聞いたのは男子が終わったあとで、解説の瀬尻さんがイイと話題であった。


 で、見た。


 やばー、すげぇ~、半端ないっすねー、などなどフィーリング優先の感想の後、細かな技術的な解説に移るという、とってもライト層向けの解説でした。


 私が見たのは女子のスケートボードなんですが、なんかバチバチ感の方向性が他競技とは違うな!?


 若い選手――といっても十三歳とかエグいくらい若い選手が多いのもあるんでしょうが、終始ノリノリのご様子。まさにパーク。公園で遊んでるような気配。大人も子どもも同じルールで遊んで、きっちり採点はしますよって感じでした。


 解説によれば男子も女子も同じ採点基準でやるとのことなので、これからの時代を象徴するような、ぜんぶ平等スタイル。まあ子どもが多いから余計に可愛らしく思えるというのはあるんでしょうが、フィリピンのヒーロー(ヒロイン)マルジェリーン・ディダルは話題になるだけある愛嬌の持ち主でした。


 成功しても失敗してもニコニコ、カメラに抜かれると踊りだす、キャップは悪ガキスタイル、五輪タトゥーとかバチバチに入れてるけど歯の矯正器具つき、初めてもらった賞金を前にしての感想が「コレでお米買える」、演技終了後には日本語で「アリガトー!」って、属性過多だろこの子! 好き!


 でも。

 でも私が一番ビビっときたのはアメリカのアレクシス・サブローンさんじゅうよんさい。


 スケート女子の表彰台は上の順位からラスカル聞いてない十三歳、妖精コスの十三歳、ラスカル聞いてた十六歳だったわけですが、惜しくも四位に終わったのがサブローンさんじゅうよんさいでした。


 年齢だのラスカルだの妖精コスだのアスリートに失礼な話題ばっかり続けてる気がしますが、マジメに書き始めるとキリがないのでご容赦ください。


 で、サブローンさん。

 この方、解説の瀬尻さんがバチバチやってた頃からブリブリやってた古豪のようでして、冒頭に出したエックスゲームスで三回優勝、マサチューセッツ工科大学建築学修士課程に進学、グラフィックアートと彫刻でも名がしれ……あんたもだいぶ属性過多だな!?

 何々?

 子供の頃はお絵かき魔で、SF好きで、クルマニアで、メカが見えてれば何でも好きだった? 映画はBTTFにブレードランナー!? 本屋には毎日行ってる……。

 何この人。可愛い。好き。


 え? 観戦?

 キレイ可愛いカッコいい兄ちゃん姉ちゃんが楽しそうに遊んでるのを見るって、それだけでなんか楽しくない? 説明いる感じです?

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