エピローグ

 ……ようやくか。


 いや、我慢しきれなかったなぁ。


 隣で眠る春香を眺める。


「髪も伸びて……大人っぽくなって」


 情けないことに、俺の方が惚れ込んでしまったな。


 綺麗になっていく春香を、俺のものにしたくなってしまった。


「ふにゃ……うん……あれ? 宗馬さん?」


「おはよう、春香。身体は平気か?」


「ふえっ? ……キャァァァ! わ、わたし、なんで裸なの!?」


「イテッ!? な、なんでって……したからだろう?」


 うむ、眼福である。

 この二年で、すっかり女性の体つきになって……エロいな。


「し、した……お、お兄ちゃんのバカァァ——! 出てってよぉ〜!」


「おっ、久々に聞いたな」


「うぅー……」


「わ、わかったから」


 もう少し綺麗な身体を眺めていたかったが……仕方あるまい。







 先に着替えて待っていると……。


「お、おはよ……」


「ああ、おはよう。お腹は空いてるか?」


「う、うん……」


「すぐにできるから座ってな」


「わ、わたしが作るよ!」


「おいおい、たまには作らせてくれよ。それに、初めてなんだから身体重たいだろ?」


「は、はぃ……あ、ありがとぅ」


「どういたしまして」


 俺はご機嫌で、久々の我が家で料理を作る。


「か、和也さん達、綺麗に使ってくれてたね?」


「ああ、そうだな。あれから二年か……早いもんだ」


 春香は高校生三年の誕生日を迎え、可愛い女の子から綺麗な女性になってきた。

 つまり……俺は、二十八歳のおっさんである。







 その後、共に食事をとり、ソファーでのんびりする。


「も、もう! それにしても……いきなりなんだもん」


「す、すまん……ずっと我慢してたからなぁ」


「わ、わたしは、いつでも良かったんだけど……」


「そういうわけにもいかないさ。隣に聞こえちゃうからな」


「あぅぅ……あんな声出るなんて知らないよぉ〜」


「ふふ、大人の男を舐めちゃいかんぜよ」


「まさか、引っ越し初日とは思わないもん」


「まあ、夏休みだから良いかなって。あと、もし仮に子供が出来ても平気だしな。最悪、卒業は出来る」


「う、うん……」


「アレをつけても、出来るときはできちゃうらしいからな」


「あ、ありがとぅ……大事にしてくれて」


「そりゃ……大事な奥さんだからな」


「はぅ……」


「おいおい、いつになったら慣れるんだ?」


「だって……未だに夢みたいなんだもん」


「じゃあ……夢じゃないと証明するか」


「ふえっ? ——きゃっ!?」


 春香を優しく抱き寄せ……。


「んっ……」


「ほら、わかったか?」


「わ、わかんないもん……も、もう一回……」


 その顔が可愛くて、俺は再びキスをする。













 これは……俺と義妹が本当の家族に物語である。



 ~完~

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