風ウサギの天秤

星川蓮

【設定集】※用語がわからなくなったらここ

※以下、『第17話 名医の偉業(後編)』までの情報


■地名

【テラ】世界の名前。もう一つの地球

【コンコルディア大陸】イグニス達がいる場所。地球でいうところのユーラシア大陸西部

【妖国】妖族の国のこと。フェリアーヌと読む。虹の神殿がある

【魔国】魔族の国のこと。デモンドカイトと読む。風の神殿がある

【赤霊峰】妖国と魔国の国境にある赤い山のこと。イグニスが最初に目覚めた場所。マウント・ルーベルと読む

【リアロバイト】サノーの住む魔族の街

【テッサ】妖国の首都

【ゾークベルダ】魔国の首都

【ラインザ】妖国と魔国の間にある森。星の神殿がある



■専門用語(50音順)

【アーラ】テラにおいて神と同一視される聖女。ソルの失われた世界で生命が生きられるのは彼女のお陰とされている。

心臓カルディア】カエルムの持っている石。正式には黒い心臓カルディア・ノックスという。

【コンコルディア語】イグニス達の話している言葉。ラテン語がルーツ。

実生命体じつせいめいたい】人間や動植物のこと。妖気生命体の対義語として使われる。

神霊しんれい】特別な妖霊のこと。全てウサギの姿をしている。アーラの化身といわれている。

魔鏡石スペキュラム】銅が妖気を吸って変質した鉱石。魔族の鏡に使われる。

【チョコ】ココアのこと。イグニスとフロースの好物。

電気虫でんきむし】一万年前に生物コンピューターに使われていた虫。元はハエ。酵素による遺伝子組み換えが行われ、演算以外の生命活動はしない。また不老化されている。魔族の遺伝子にも組み込まれており、魔力の自己生産を可能にしている。

フォンス】魔族の体内にある魔力を溜めている場所。泉が枯れると失明する。

命源ポエンティア】星の周りを循環するエネルギーの一つ。生命に関わる力のこと。

【マグナ・クレピタス】一万年前に起きた太陽大爆発現象のこと。

妖気生命体ようきせいめいたい】爆発したソルのエネルギーが地上に降り注ぎ、そこから生まれた生命。質量がなく、半永久的に生きる。かつては幽霊と呼ばれていた存在だが、この世界では誰にでも見える。

妖獣ようじゅう】妖気生命体のうち、人に宿らず野良に生息しているもの。気性が荒く人を襲う。一羽、二羽と数える。

妖霊ようれい】妖気生命体のうち、人に宿った状態のこと。一羽、二羽と数える。

【ラピス・インケルタ】特別な性質を持った石。謎の石という意味。

色封石ラピス・カラー】色を半永久的に保持する石。液晶のような構造をしており、組み込まれた電気虫によって結晶構造が制御されているため、好きに色を変えられる。



■登場人物

【イグニス】

妖族の少年。十七歳。容姿は宿している妖霊の数によって変わっていくが、元々はレグルスの影響を受けて緑の瞳に燃え上がるような緑の髪をしていた(この世界の火は緑色)。獅子の尻尾と耳あり。

びっくりするほどの猫舌。


【フロース】

魔族の少女。十七歳。赤い目に栗色の髪。とある事情で現在は盲目となっている。

呪魔法と水魔法を得意とする。

びっくりするほど熱い物とびっくりするほど冷たい物が好き。


【サノー】

魔族の老人。七十歳程度。鳶色の目に銀色の髪。隠居生活に入る前は外科医をしていた。フロースのことを幼少期から面倒見ており、姫様と呼ぶ。

趣味は考古学の研究。魔法にも精通しており、様々な物を発明している。音魔法と祈魔法を得意とする。

好きなことについて語り出すと止まらなくなり、聞き手はうんざりしてしまうため、寂しい思いをしている。


【ペンナ】

紫色の羽のついたウサギの妖霊。本当はウェントスという名だか、フロースが勝手にペンナと命名した。ペンナと呼ばれることについては満更でもない様子。

魔族が妖霊を連れていると問題があるため、普段はフロースの翼のペンダントの中に隠れている。


【イグニスの妖霊】

レグルス……烈火の獅子。火の妖霊。イグニスが元々宿していた妖霊。気高く威厳がある

アルス……祈祷の天使。祈の妖霊。特別な妖霊らしい。頭がよく、面倒見がいい兄貴肌

ウンプラ……雷光の偽龍。雷の妖霊。小さなドラゴンの姿をしている。子供っぽい

マルガリータ……清湖のマナティ。水の妖霊。温厚な性格でイグニスに協力的

ディーバ……木霊の鳥。音の妖霊。イグニスのことが嫌いでいつも文句を言っている

アグリコラ……芽花のリス。植の妖霊。ディーバと仲がいい

ウィールス……呪怨の大蛇。呪の妖霊。非常にどう猛な性格



■魔法の種類

妖族の使う妖術と魔族の使う魔術とがあるが、使い方や概念が異なるだけで本質はどちらも同じ。

【祈魔法】傷の治療や呪いの解除

【呪魔法】主に変身術。死に至るようなものは禁呪とされており、使われない

【音魔法】あらゆる音を奏でる。声を変えたり大きくしたりすることも可能

【植魔法】植物を育てたり枯らしたりする

【雷魔法】雷を操る。攻撃魔法として最も強力

【水魔法】水を作る。冷気を操ることも可能

【火魔法】火を操る。熱気を操ることも可能

【風魔法】記憶を操る。風ウサギ、ウェントスのみが使える。アーラの秘術の一つ

【虹魔法】命を操る。虹ウサギ、イリスのみが使える。アーラの秘術の一つ

【星魔法】精神を操る。星ウサギ、ステラのみが使える。アーラの秘術の一つ


妖族は宿した妖霊の属性一つのみが使用可能だが、魔族は理論上全てを使える。但し適性があり、多くの魔族は一つか二つの魔法しか使わない。

妖族は妖霊に命令を与えることで魔法を使う。魔族は魔導書の文字列を現実の文字列に上書きすることで事象を引き起こしている。



■種族

【妖族】

妖霊を宿した人間。体に宿した妖霊の特徴が現れるため、獣の耳や尻尾を持つ者や、肌が鱗や毛皮に覆われている者がいる。多くは生まれた時に妖霊を宿す。宿す妖霊の種類は血縁とは関係がないため、妖族は親子であっても見た目が大きく変わる。

宿せる妖霊は一羽だけ。それ以上は弾かれる。イグニスは記憶を失うことで七羽の妖霊を宿すことに成功しているが非常に不安定。

妖霊から魔法を使う力を借りており、力を自己生産することは出来ない。

自然の中に住処を構え、自然とともに生きることを信条としている。文字の文化が廃れているため、殆どの妖族は読み書きが出来ない。


【魔族】

魔法を使う力を自己生産するよう進化した人間。普通の人間と同じように目で物を見るが、手首にも光を感じる器官があり、魔導書に視線を落とさなくても手鏡を使うことで魔導書を読むことが出来る。手鏡には手首の感光点に光が届くよう特殊な軸が伸びている。

自然は支配するものという思想を持ち、野山を切り開いて街を築いている。文明レベルは高い。



■その他の設定

【アーラの秘術】

フロースがイグニスから記憶を抜き取るために使った魔法。一年後に死ぬという呪いを受ける代わりに、神霊にしか使えない魔法の使用が一度だけ可能になる。

死の呪いを受けた者は、風の神殿、虹の神殿、星の神殿の内部に入ることが出来る。

死の呪いは神殿で出される三つの問いに答えることで解ける。


【この世界の光】

地上に降り注いだ太陽エネルギーが発光しており、日光の代わりになっている。その波長は日光とは異なっており、そのせいで世界全体が変色している。空気そのものが光っている状態のため、暗闇は存在しない。また太陽がないため昼と夜もない。


【この世界の時間】

一日二十四時間。朝六時から夜六時までを明刻、夜六時から朝六時を宵刻と呼ぶ。

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