天才

バブみ道日丿宮組

お題:10の天才 制限時間:15分

天才

 空が堕ちてくるのを見た。

 青かった空が真っ赤に染まり、地上へと向かってくる。

 それが世界の終わりで、新しい世界の誕生だとは当時の人間は思わなかっただろう。

 わかることがあるとすれば、恐怖した。ただそれだけだ。


 それからーー1000年後。


 新人類と呼ばれるのが各地で生まれた。

 小説や漫画、映画などで出てくる亜人と呼ばれるタイプの人間だ。

 ちなみに私はうさぎ耳を持つ亜人。

 今では人間らしい人間というのは非常に少ない。

 彼らは純正種だとか、希少種だとか、救世主だとか言われ、どこかにまとめて隔離されてるという話を聞く。見たことがないのはそういった背景もあるのかもしれない。

 最も見えない部分が特徴として出てる亜人であれば、人間っぽさがあるが誰も声をかけたりしない。どこを見ても亜人であるならば、亜人に違いない。そういう共通認識。

 と、話が逸れてしまったが、人間は復活した。

 しかもただの復活ではない。特殊能力持ちだ。ただでさえ亜人としての特徴を持ってる新人類だが、必ず特殊能力を持って生まれる。

 それは一種の天才とも呼べるスキル。

 頭がよかったり、空中に浮いたり、相手の心が読めたり、ビームが出せたり、異常に視力が良かったりと様々だ。

 その能力はわかった時点で役所に届け出をしなければならない。攻撃的な能力であれば、使用の制限などを受ける。当然のことだ。ちなみに能力がかぶることはある。友達同士でテレパシーを行ったり、空を散歩してたりと、結構な確率で同じ能力が存在してる。

 そんな新人類の中でも特に天才なのが、10人存在してる。

 彼らは今の世界を牛耳る存在だ。

 1人が脳をフルに使える。1人が不老。1人が未来予知。1人が錬金術。1人が弱点看破。

 というように所持してるのがほぼ1人しかいない能力の持ち主。

 私たちは彼らが作った法律、理念、経済で過ごしてる。

 さすがに天才の天才ということもあって、今まで異常が起こったことはない。

 彼らが死んだとしたら、どのようなダメージが出てしまうのか考えるだけで苦痛がしてくる。

 けれども、世代交代は必然だ。

 きっと近い将来やってくるだろう。


 そう……私の能力で。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

天才 バブみ道日丿宮組 @hinomiyariri

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る