第2話 かまってちゃんの英雄騎士



 

 溺愛体質なんてもう嫌だ!


 と思う瞬間が少なくとも、一日に三種類ほどくる。


 三回ではなく、三種類だ。


 ここが重要。





 息抜きのお城から抜け出そうとしたら、騎士の男性にとっつかまってしまった。


 英雄騎士とか呼ばれる男性で、国の中では剣の腕が一番。


 でも、そんな彼も私の前に立つと一人のただの男性。


 いやただの男性より、ちょっとアレ。


 かまってちゃんに成り下がってしまうの。


 彼は私の前にまり込んで「おはようございます」とキラキラスマイル。


 考えようによっては、私の体質の被害者で可哀そう。


 可哀そうなんだけど、でもやっぱり、うっとおしい。


 それは、罪悪感も薄れるほどの、図々しさだからよ!


「どちらに行かれるのでしょうか。ぜひご一緒したいです」


 ご一緒していいか。


 ではなくしたいです。


 だそうだ。


 もうちょっと私のスケジュール考えて!


 私は、近くをうろついていた部下にその騎士を回収してもらうまで、しつこくつきまとわれたわ。


  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る