(15)


「クロノ、すまなかった。」

車で署に帰りながら、マイル上官は申し訳なさそうに言った。

クロノ達はあの後すぐにパトカーに乗り、とにかく大通りに引き返していた。

そして現在は都市の中心部を走っている。


「こちらもっス」

ブランも同じように返した。


「俺たちクロノのことを同じ仲間だと思いすぎるあまり、こうなることをすっかり忘れていたな。やはり悪魔差別は根深いってことだ。」


「そうっスね。」


マイル上官、部下のブランは感慨深そうに言った。


「いいんですよ、そんなこと・・・。

それより上官すみません。車・・・」


逃げる際、民間人はぎりぎりまで迫ってきており、石は車にも投げられたのだった。


「なーに、大丈夫さ、何のためのマアトだ。こんなものすぐに直す修理費をもらえるさ。」

マイル上官は、クロノに明るくそう言った。





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