(9)隠れ家「エデン」

署に戻り、仕事を終えると行く場所がある。


クロノはネオンの付いた看板をかかげる店の扉を押した。

賑やかな雰囲気だ


「やあ、クロノ、ゆっくりしていくといい」

サングラスをかけた中年の悪魔の男性が声をかけた。

手にはシェイカーを持っている。


「ありがとう、マスター」

そう、ここは路地の奥、悪魔の集まりにあるバーだ。名をエデンという。

ここには、差別主義反対の天使や、行商の天使、悪魔達も集う場所だ。

ここには、差別にあらがう悪魔達の集いもある。


そして秘密裏の情報交換の場所だ。


「マスター、あの親子、無事に送ってくれましたか?」

クロノはマスターに昼間の親子について尋ねた。


「ああ、大丈夫だ。行商の悪魔と共にスラムに帰ったよ。それより・・・」

マスターは目を細めた。




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