第4話 ヘナヘナ

 これは、私がラスベガスのポロタワーのスカイラウンジで、黒人のボーカリストがリーダーのバンドで、ギターを弾いていた時の話である。もう20年前の話だし帰国して、プレイする気がまったく無くなってしまった私は、今ギターは弾けない。


 ラウンジでの演奏は、午後の10時から午前の2時まであった。ある夜、1時半ぐらいにインディアンのドラマーが遊びに来た。演奏が終わって、私が、みんなで中華レストランに食べ放題のタイスキがあるから食べに行こうよと提案した。


 それは良いとなって、3人で行ったのだが、店に入って席に座ったらリーダーがいなくなっていた。どうしたのかな?と思い、ドラマーとどうする?彼抜きで、食べちゃおうか、良いよね?と言って鍋を食べた。


 次の夜、演奏の開始前に、ドラマーも来て私と、昨日はどうしたんですか?とリーダーに聞くと、「俺におごらせようとする、そぶりを見せたから帰った」と言った。それを聞いた私とドラマーは、顔を見合わせて、「はぁぁーん」と言ってヘナヘナとなった。おごらせようとする、そぶりって一体、どんなんなの?誰か教えて。

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