23世紀の日本
@atuniko
第1話
時は2271年。もはや国はなくなり一つの連邦国家が世界を統治している。民主主義なんてものはとうに消え去り、人々は皆監視カメラに映される。人々は皆icチップで番号化され組織の連中の管理下にある。
黒い噂が絶えない秘密組織RC
何を企む 彼らは一体何を企む
「ただいま お母さん」
「おかえりなさい 雄太」
高校生の雄太は幼い頃に父を病気で亡くし母親に育てられた。貧しい家計を支えるために皆の脳に埋め込んであるicチップの闇商売をやっている。と言っても、俺は2番街の元締めのラフカーの末端で4とか5級のチップをちょびちょび売っているだけなんだが‥
チップはブラックマーケット内で大まかに1級から5級まで区分されており
1級=家が一つ立つくらいの値段
から
5級=一人が切り詰めて3食食うくらいの値段
となっている
1級となると連邦国家の機密事項を記憶した人間のチップらしく、取引中に組織に見つかる可能性も格段に高い。
どうやらicチップには人それぞれの人生の記憶があるらしく、それを購入し自分に入れることで別人の人生を体験できる気がするらしい。俺は果たして、それの何がいいのか分からないが、富裕層の中でこのicチップでの擬似人生体験が流行ってる。
RCはこれを禁止しているため俺はブラックマーケットで奴らにバレないようにチップを売り捌く。
「今日は結構儲かったな」
「全くだ。あんまり値段釣り上げてると他の奴らに目つけられるぞ」
相棒のルーカスは俺が8歳の時に旧日本地区に引っ越してからの付き合いだ。
「金が入ったし3番街で飯でも食うか?」
「そうだな。ついでに母さんにも飯買って帰らねえとな」
「お前はいっつも母さん母さんだなぁ」
呆れたようなルーカスと一緒に売れ残ったチップを袋に詰めて3番街に向かった。
「なあ そろそろこの辺で足を洗わねえか?そろそろ潮時だと思うんだ。この前だって一人捕まってただろ。俺達だっていつ奴らに見つかってもおかしくねえ」
「足を洗ったって結局野垂れ死ぬだけだろ。それともなんか金に当てでもあるのか?」
「ちょっと耳を貸せよ。ラフカーがな、どうやら一級チップを手に入れたらしいんだ。それをパクってそのままこの街を逃げ出せば」
「そうだな!!それは悪くねえ」
「馬鹿 これがでけえよ」
興奮したルーカスを俺が慌ててなだめる
「いいか。よく聞け。ラフカーは商売先までは仲間がいるが取引するときは必ず一人だ。そこを狙うしかねえ。決行は明後日。それまでに俺は母を先に街移す。ラフカーを殺ってチップをパクったら街を出るぞ!」
「了解した」
俺とルーカスは準備を済ませ2日後を待つ
ナイフと有り金をポケットに入れて、残りのチップを全て安く売り捌いた。
23世紀の日本 @atuniko
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