異世界転生したら、なんか詰んでた ~精霊に愛されて幸せをつかみます!~  旧題『50代で異世界転生~現状はあまりかわりませんが…』

桃野もきち

第1章

第1話 生まれ変わったら異世界だった

 気が付いたら、銀髪紫の瞳をした異国の女の子に生まれ変わっていた。

感度の悪い鏡に映し出されたその見た目は、大きな瞳に濃い紫をしている、銀髪は短くクルクルとした天然パーマで、男の子の服装をしていた。


 この地域では貧しい家庭が多く、女の子のいる家庭では一般な処置である。近所のお古が出回り、小さい女の子用の服は売ってない。


 生まれ変わったと明確に認識したのは最近の事。最初はいつ意識したのだろう?

もっと前…。お母さんは死んだと聞かされた時くらいだろうか。

「またいないの」って思ったのだ。

また?なぜまたと思ったのか、それから徐々に思い出していった。

前世の記憶がある。よくラノベで読んでいた世界。異世界だ。

なぜ異世界だと分かるのか、街並みや行き交う人々の服装、髪の色どう見ても地球じゃない。それにちょっと色々変わっているし。


 なぜかトイレだけは水洗だった。それだけは助かった。

トイレ事情まで詳しく表現されているラノベは少なかったのでどうしているんだろうと思っていたが、よかった。もうあとはどうでもいい。

 湯に浸かりたいとか米が食いたいとか贅沢いいません。眠れる家とキレイなトイレがあれば十分です。はい。


 トイレは各家にタンクのようなものが元から地下に設置されていて、そこに排泄物は溜まっていく仕組みになっていた。タンク自体が魔術具らしくたまった排泄物は自然と消えていく。そのエネルギーは魔石だ。魔石は、この世界では生活必需品だ。魔獣という魔力を帯びている獣から取れる石のことで、魔力がある。使っていればその魔力は無くなっていくらしい。その都度、魔力を補給しなければならないが、その方法は各自家庭による。自分自身で魔力を込めるものもいれば魔石を買って魔力を込めるものもいる。魔石は魔石屋さんで売っているらしい。

空になった魔石は魔力を補給することで復活する。


トイレ事情が明るいと人生も明るい。ような気がする。




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