忘られぬ恋

空沢小羽

気づかぬ幸せ

叶わぬ恋をしました


幼いころから

その人が好きでした


その人は

いつも私の側におりました


窓際に一人残された私を

いつも楽しませてくれました




あのころ

私はその恋が良くないものだとは

夢にも思いませんでした


その人が一生側にいてくれると信じて

疑ったことがありませんでした


離れゆくことを

恐れたこともありませんでした


考えたこともありませんでした




周りの評判も

そう悪くはなかったのです


クラスで二番目か三番目か

一番とは言い難いけれども

そんな話も聞きました


私も

実はひそかに誇りに思っておりました




年頃の私は

素直ではありませんでした


その人は私のすぐ側にいたのに


私はときどき

余所(よそ)を見ることがありました


それでも

その人は私の支えであり

私の誇りでありつづけました


その人は

ずっと私の側におりました


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