第133話 時の流れは早い
ピカトーレンに戻った健太は紹介された新居で十分にお風呂に浸かった。
最近健太は毎日思う事がある。それは、これからどうなるのか、明日自分の命はあるのだろうか、大須賀真希はどうなったのか、現代の日本に帰れるのか等、それらを考えると1日があっという間に終わってしまう。
子供は早く大人になりたいと思う気持ちが高い為、時間が過ぎるのが遅く感じると言われるが、大人になると、やる事が多くなり時間が欲しい、時間が過ぎるのが早くなる事と同じ現象を、健太は今体験しているのかもしれない。
「ふぅ、良い湯だった!黒助の奴いつもぬるま湯しか準備出来ない奴だったからな〜。熱い湯に入れて最高だわ。
お〜い、じゃじゃ馬〜風呂に入れ・・・れ・・・れ?」
「おう、健太!邪魔してるぜ!?」
そこには何故かリョウがいる。椅子に座り、ベッドに転がり込んでいるディアネイラと話をしていたみたいだ。
「な・・・なんでリョウがここにいるんだ!?それに風呂に入ってないのに俺のベッドに入るな!!」
「お、おい、なんだよ、せっかく遊びに来たってのに、そりゃないぜ。なあ?ディアネイラ。」
「な〜、リョウ〜♪」
うかつだった。じゃじゃ馬ディアネイラがここにいるって事はリョウもいるって事を考えておくべきだったんだと、健太は後悔する。
「なあ、俺明日早いんだ。悪いが今日は帰ってくれないか?」
「なんだよ〜健太、せっかくラウルのじじいから外出許可までもらってここまで来たのに。今日はディアネイラにオセロを教えてやるんだ。」
「えへへ、教えてもらうんだ〜♪」
オセロ、それはシュールの施設で健太が皆に教えた、健太の時代では普通のゲーム
「そんなもん、いつでも出来るだろうが!ほら、じゃじゃ馬、そこをどけ!」
「ブー!じゃあここのテーブル借りるねー」
ディアネイラはリョウにオセロを教えてもらいながらテーブルを利用する。健太は彼女らを無視してそのまま寝た・・・つもりだった。
「キャーーーーーー!!また角取られたー!!」
「ヘッヘッヘ!いただき〜」
「キャーーー!!全部角取られた〜!!」
ね・・・寝れない・・・
そして寝れないまま、朝になった。
「眠たくなってきたわ、んじゃあディアネイラ、俺帰るわ。また遊ぼうぜ。」
「うん、オセロ楽しかった!またねー・・・ファーアアアアア・・・オイラも眠たくなってきた。パパのイライラもなくなった頃だろうし、部屋に帰ろっと。」
2人は、荒らすだけ荒らし帰っていった。
「マジか・・・もう寝る時間ないじゃないか・・・30分、30分だけでいいんだ!俺は寝るぜ!」
少しでも脳を休ませて会議に参加しないと!健太は焦りながら眠りに入るが、流石に時間はない訳で・・・
「健太、おはよう。迎えに来たわよ?」
エルマがもう来てしまった!
「ウギャーーーーーーーーーー!!!!」
寝る事の出来ないショックで、つい大声で叫んでしまった。
勿論の事、彼女は履いている靴を脱ぎ、右手に持つ。
「うるさい!!」
パシコーン!!
「痛って〜な!なんだよ!あと30分あるじゃねーかよ!」
「ウェルザ王を先に待たせるわけにはいかないでしょ?少し早めに行動するわよ?それにあなた、昨日からここに住んでるのに、どうやったらこんなに部屋を散らかす事ができるの?あなた防衛大臣の自覚を持ちなさい!」
「い、いや、あれは・・・」
「言い訳するくらいなら早く準備しなさい。ラマ王も到着するわよ!?」
(クッソー、あいつら・・・許さねー!
俺・・・今日倒れるかもしれない・・・
とはいえ、仕方がない。一応横にはなっていたから、脳の休憩は出来なかったが、身体の休憩にはなった。
早い事会議室に行って隙あれば目を閉じていよう。)
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