6章 外交任命

第41話 来客

 俺の名前は木下健太。皆んなも知っての通り時空を越えてきた人間さ。

バピラに来て4年と4か月が過ぎようとしていた。現代に帰るには様々な情報が必要と思ったり、隣国からの勧誘もあって、今はラマの国で奴隷という肩書きで古代研究員としてお世話になっている。

 しかし俺はこのバピラで凄い発見をしたんだ。だって俺、魔力を持つただ1人の人間なんだから!!





「我が眠る光の属性よ!我が名は木下健太、我に力を、レーザービーム!!」


し〜〜〜〜〜〜〜ん・・・


 仕事終わり、メルーに魔法発動のコツを教えてもらっているのは最近の日課となっている。今回も結果は同じ様だ。

 健太は"恥ずかしい"を気にしなくなっており、首を傾げて考え始めた。


「う〜〜〜ん、難しいなぁ・・・」


「い〜い?健太、何度も言うけど力まない、身体全身で集中、精神力を意識するのよ?」

とはいえ、前に比べたらさ、大分良くなったんじゃない?魔法は慣れだからねぇ。」


「あ〜〜疲れた!今日はここまでにするよ。」


「うん、まぁ、焦らずに練習ね、あたしだって魔法覚えるのに苦労したんだから、帰るね、じゃあねー」


 (魔力だけが得意のピクシーですら苦労するのならば、俺様が苦労するのは当たり前って事だな、ウンウン。

とはいえ、今回の練習で研究所を随分と散らかしてしまった。このままじゃ、怒られてしまうな、奇跡的に発動したレーザーで、壁に穴も空いてるし・・・知らんぷりしよう。)


「お、健太よ、まだいたのか。」


「ん?じじい、どーした?レーザービームなんて発動してないぞ!」


「だーれがじじいじゃ!!そして何の話じゃ!!それよりも研究所にお前目当ての来客じゃ!」


「俺にかよ。で、誰だ?」


「ラマ国上層部特別連隊長のバッド様じゃ!」


(何!あいつか。なんか嫌な予感がするな・・・)


 シエルと廊下を歩きながら研究所応接室へと向かう。


「よいか健太、今上層部様達にはお主は奴隷という事に、なっておる。くれぐれも失礼の無い様にの。」


 シエルはそう言っているが、相手の出方次第では逃げないといけないかもしれない。研究員達が図書館壊した事になってる!そんな思いをしながらも応接室へと近づいていく。


「いつか俺ってあのバッドのヤローに殺されるんじゃないか?」


「・・・お主のその口の聞き方じゃあ殺されるかもしれんよのぅ〜、さあ、着いたぞ。もう一度言うが、くれぐれも失礼の無い様にの!」


第42話 バッド特殊部隊長へつづく

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