その美しさに意味は無い

闇音

その美しさに意味は無い1

わたしは少し普通じゃない女の子!今日から転校生としてある中学校に通うんだ!

そして、今は急いでお家から出たんだけど、なぜかって?それは、寝坊したからだ!


「やばっ!!!遅刻してしまうな!」


そう言って走っていくこと5分。学校が見えてきたあたりで、男の子にぶつかった。


「きゃっ!!!」「うわっ!!!」


目の前にいたのは……………………なんとイケメンだった///


「あ、ごめん///」


こういってわたしは顔を赤くしてしまったのだが、男の子はやさしく、


「大丈夫?ケガはしてない?」


と言って手を差し出してくれた。


きっとこれは運命だろう。








学校の道端でぶつかるってよく見るけど、実際に合ってみると凄いことが起きた←



♡♡


学校にて


「初めまして!闇音だ!この辺はとっても田舎だな!!」




初日からちょっとあれなこと言っちゃった!!どうしよう!!



こうして、不安に思いながら1日過ごしたのだが…




次の日


「ううう…なんでこんなことするんだ…!先生に言いつけてやる」



思っていた通りわたしの机が汚されていた!



「闇音ちゃん!大丈夫じゃ、ないよね。…拭くの手伝うよ」


そう言って手を差し出してくれたのは、





あの昨日ぶつかった男の子だった!!


「…!ありがとうな!!」


それからというもの、わたしは男の子(なまえはハルトって言う!)と一緒に居るようになった。


でも、それをよく思わないひともいるようで…



ある日の朝

「靴箱に手紙が!なになに…?」


靴箱に手紙が入っていたので、可愛い柄だな、とは思ったが開けてみると、


「!!!」


なんと、呼び出しだった!!


「ふんっ…わたしに喧嘩を売ろうってことだな!!」


「いいだろう!受けて立つ!!!」


放課後になって、呼び出された廊下へ行くと、目の前には金髪でピアスを開けた髪の毛ふわふわ女が!!!


「ふん、やってきたのね?」


「くっそっちが呼び出したんだろう!」


「ええ、そうよ?」


「なんのためだ!!」


「決まってるじゃない」


そういってふわふわ女はカッターを取り出し、自分の手首に当てた


「なにをする気だ!!自分の身体をもっと大事にしろ!!!」



わたしの説得も彼女には届かず、ふわふわ女は切った。


そして、


「きゃーーーー!!!!誰かたすけて!!!!」


と大声で叫んだ。



すると、

「なんだなんだ!」


「どうした○○!!」


「大丈夫か?!」


「まさかお前が!!」



気づいてしまった。



わたしは、





はめられたのだ。



きっと味方はいない。


辛くて涙が出てきた。




その時。



「なにをしているんだ!」



来てくれたのは、




「大丈夫闇音ちゃん。安心して。味方だから」


ハルトくんだった。





♡♡

そうして、わたしとハルトくんの距離はもっと近づいた!


(あのふわふわ女は学校をハルトくんのおじいちゃんの理事長のおかげで退学になったらしい)



でも、このごろ、少しだけハルトくんはおかしくて…。



「ハルトくん!どうしたんだ?!最近、わたしと話してくれないだろう?!」


とか、


「もしかしてわたしのことが嫌いになったのか?!」


とか、ちょっとめんどくさい女の子みたいなことを言っちゃうんだ。


(このままだと嫌われてしまうな…)


そう思って、距離を置くことにした。




1週間後の昼休み。



「闇音ちゃん、ちょっと話があるんだけど」


そう言ってハルトくんはわたしの手を引き、屋上に連れていった。


「なに?ハルトくん。話って!」


「最近、無視してるよね」


ぎくっ!!!


「し、してないよ!!」


「だったらなんで一緒に帰ってくれないの?なんでメッセージの返信くれないの?嫌いになったの?!」



「…ごめん、ハルトくん。でも、わたしだって寂しかったんだ!」


つい、わたしは、大きな声を出してしまった。


でも、もう、止まれない。


「ハルトくんだって、無視してたじゃないか!」


「うっそれは…」

ハルトくんはなぜか顔を赤くしていた。


そして、


「だって闇音ちゃんのことが好きになっちゃったんだ!」



次はわたしが顔を赤くする番だった///



「え、つまり…わたし達は両思い///だってこと?///」



「そうなの///?」


「うん///わたしも、好きだ…!」


ハルトくんとわたしは、キスをしてしまった!


「じゃあ、これからは恋人同士だね///」


そう言うハルトくんに対してわたしは、


「うん///」


と答えた。



こうして、恋人同士になったのだ///




こうして、ハルトくんと恋人になったわけだけど、今日は、なんと!初デートの日!!


「何を着よう!これとかいいかもしれないな!!」


とか、いいながら、服を部屋のタンスから探していたのだけど、


プルルルル


「?電話??誰からだ??」



着信を見てみると、





ハルトくんからだった。





「…えっ」



嫌な予感がして震えながら電話をとった。



「どうしたんだ、ハルトくん?」

「…ごめん、今日のデート、やめよう」




次の瞬間にはわたしは外へ走り出していた。



心が締め付けられる





つらい






どうして、







わたしが何かしたのか?






それでも、足は止まらない


頭が真っ白になっていく、









そして、




そっと、





涙が




溢れた。







そうして、



気づいた時には、





車にはねられていた。







目を開けると、そこは見覚えのない景色だった。


「どこだ…?」


そして、わたしは思い出した。


「そうだ、ハルトくんに、突然、断られて、それで、」



「車にはねられたんだ…」


つまり、ここは病院である。


でも、ハルトくんはいない。



「もうわたしのことはどうでもいいのか」




もう出ないはずの涙が出た。





こうして、退院して家に帰った訳だが、ハルトくんとは一切連絡がつかなかった。既読もつかない。


「…ハルトくん…どうして?」


事故は夏休みに起きて、しかもわたしはハルトくんの家を知らない。これではどうやっても会うことができない。


本当は、あの日、ハルトくんのお家へ遊びに行く予定だった。




「…やっぱりわたしがダメだったのか…?」




でも、ハルトくんへの思いは止まらない。



どうしようもなくなって、この前買ったノートに書き始めた。





ノートを書き始めてから不思議なことが起き始めた。


学校が始まってからなのだが、わたしに友達ができた。

しかも、ノートに『友達が欲しい』と書いた次の日に。


また、『明日は忘れ物したくないなあ』と書いたら、次の日に無くしたと思っていた教科書が見つかったり。


でも、ハルトくんは学校にすら来ていない。


先生方は何も言わないし、クラスのみんなも何も言わない。



ハルトくん…どうしたんだろう。




じっと、ハルトくんの席を見つめる。


すると、何か机の中に入っているのが見えた。


(授業が終わったら出してみよう…)




「っこれは…?」


授業が終わったあと、そっと机の中から取り出しておいたメモを家で見た。


そこには、謎の暗号と謎の地図が書かれていた。


「地図だな…この暗号は…?」



なぜか、その暗号に見覚えが合った。



「これは…」


「ハルトくん…」



…思い出した。


「ハルトくんが作った暗号だ…!わたしにだけ教えてくれた…」



「たしか、これをこうして…」


作業すること数時間。


やっとできたのは、


『イエハ○○シノ△ヤマ二ヒント』


「ハルトくん…これを使って家を教えてくれようとしているのか!」


「○○市はどこだ…」

そう言って地図帳を開いて探した。


「あった!2つ隣の市か!!」


「△山…どこだ…」


△山は探しても見つからなかった。


「くっ…でも、ハルトくんのためだ。」


「行ってみるしか無い…!」




ガタンゴトン…ガタンゴトン


電車に乗って30分ほど。ようやく○○市についた。



「おお…!久しぶりに電車に乗ったな!引っ越してあの町に来てからは乗っていなかったからな…」


ふ、とした瞬間にハルトくんを思い出す。



「いかんいかん…!早く△山を探さなければ!」


そして、道行く人に端から声をかけていった。


が、誰1人として△山を知らない。


「うう…どうすればハルトくんに会えるんだ…!」


「お嬢ちゃん」


「はっ!誰だ!!」


後ろを振り向くと、いかにも長老といった風のおじいさんがいた。


「△山に行きたいのかい?それならすぐそこだよ」

そう言っておじいさんが指した先には小さな山が。


「さっきまでこんな所に山があったか…?」


疑問に思ったが、どうしようもないので、おじいさんに従って、山へ入った。


中は、薄暗く、人の気配は一切しない。


「奇妙だな!」


明るく言って見たものの、ヒントは地図と暗号のみ。しかも暗号は解読済だ。


「そうなると、この地図か!」


そう言って地図をみると…


「もしかして、これは、この山の上から見た街の景色の地図ではないか?!」


そう思い、山頂へ走り抜けようとした。



だだだだだっと上へ走っていくと、途中で道があった。山頂の神社へ続いているようだ。


「ちょうどいい!!これを使おう!!」


数十分後、1番上の神社についたのだが人の気配は全くしない。しかし、境内は綺麗だった。


「怖い…な」


「闇音ちゃん」


後ろからハルトくんの声がした。


「ハルトくん…?」


振り向くと、そこにはいつものハルトくんが。


「ごめんね、闇音ちゃん」

「勝手に約束破って。」

「でも、こうするしか…なかったんだ…っ」


そう言って彼は手紙を差し出した。


「家に帰ってから読んで。」


「なんでだ!なんで、ハルトくんは勝手に居なくなったんだ!!」


「本当に、ごめん。最後に話をしてもいい?」


「最後ってなんだ!!」


「1週間後に死んじゃうんだって、ぼく」



「ハルトくん、うそ…だよね…?」


「嘘じゃないよ。」


「だって、こんなに元気そうじゃないか…!」


「ぼく、今生霊なんだ。本当は病院にいる。」


「じゃ、じゃあ、ここは」


「騙して、ごめん。」

「もう時間みたいだ。」


ハルトくんが足から透けていく。


そうして、彼は言った。


「闇音ちゃん、もし救ってくれるなら、ーー病院に来て」


「待ってくれ…!ハルトくん…!!」


手を伸ばしたが、ハルトくんは消えてしまった。



「ハルトくんっ…!!!!」


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