ファンアート
こつこつ諦めず書き続けてきたからか、私のWeb連載小説はなかなかの人気を誇るようになり、ファンアートが送られてくるまでになった。
そのこと自体は嬉しくてたまらないが、このファンアートがちょっと……かなり、おかしい。
私が小説で書いている主人公と、著しく乖離している。こんな主人公、だしていないのに、複数の読者の方々が「主人公が好きです! 描いてみました!」と言って、ファンアートを送ってくる。その主人公は読者の中では共通しているのだ。同じ外見をしている。だたし私はこんな外見の主人公、登場させていないのに。
そのうち、主人公だけではなく、ヒロインや、わき役まで、全然知らないキャラクターのファンアートが送られてくる。一体どのキャラクターをさしているのか、作者である私が分からない。まさか「これは誰を描いたのですか」と聞けるはずもなく。
私と読者で、想像するキャラクターの感じが違うのか? 字と絵では、ここまで違うのか? 私と読者で見ている世界が違うのか?
その後私のWeb連載小説はアニメ化された。
テレビの中で、私の考えたキャラクターと全く違うキャラクターが、全然知らない世界で、全然知らない設定で、全然知らない行動をとっていた――。
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