信じられるもの、信じられないもの。でもその中でも世界は花に満ちている。
アキノリ@pokkey11.1
交通事故死した両親と妹
終わった世界と出会い
1、失った全てと出会いと
交通事故で死んだ両親の事。
そして死んだ妹の事を度々考えると俺が死ねば良かったと度々思う。
それか俺も死ぬべきだった。
後に残ったものはこの世界がいかに腐っているか。
そして死んだ両親と妹の亡骸だ。
この何年も思ってきた。
でも死にたいけど死ねない。
その狭間で俺はずっと生きていた。
地獄と天国の狭間だ。
まあ地獄も天国もどっちにも行かず魂が彷徨えば良いとか思ってしまうが。
幽霊とかいうやつだろうか。
そんな感じで、である。
どうせ神様が俺を生き残らせてしまった様に俺は親と妹に会わせてはくれないだろうしな。
そんな事故で両親と妹を失った10歳の時。
俺は児童養護施設ハナサクにそのまま引き取られた。
だけど根っからが俺は腐ってしまい。
傷付いて腐っていく花の様に腐ったのだ。
だから.....俺は嫌だった。
自分自身が生きている事が.....ずっと。
だから俺に構って来る施設長とかがウザくて仕方が無かった。
でもそれもようやっと変わり始めてある日の事。
18歳間近になり、児童養護施設を出なくてはいけない年齢になってきてしまった。
俺はとある場所に引き取られる事になったのだが。
と言うか施設長の前田さんが配慮してくれたのだが.....その家に、である。
それは.....そこそこの金持ちの家。
冨樫家と呼ばれる近所に少しだけ知れ渡っているお金持ちの家だ。
簡単に言えば高級外車が1台だけある様な。
だからそこそこ、である。
家の中のリビングにて.....3人.....正確にはこの場には2人しか居ないが娘の女の子が居て.....俺と初めて顔合わせをした。
父親の冨樫さんを見ながら俺は目を丸くする。
「初めまして。斉藤くん。.....私は冨樫健一郎(とがしけんいちろう).....これから宜しくね。.....気楽にしてくれ」
オールバック固めた髪の毛が特徴的のイケメンパパって所か。
顔立ちも外人の様に高身長でイケメン。
俺はその姿を見ながら.....目の前の2人の娘を見る。
2人の娘のうち。
1人はニコニコしながら俺を見ていた。
「すまないね。娘は3人居る筈なんだが.....1人はすっぽかしてしまった。いくら言っても聞き分けがない子で.....」
「別に構わないです」
「.....そうか。.....それじゃ自己紹介をしていこうか」
すると目の前のそのニコニコしている銀髪の少女が一歩前に出て頭を下げた。
それから.....顔を上げてから俺を見てくる。
かなりの美少女である。
幼い顔だが、だ。
小学生か中学生ぐらいか。
「初めまして。冨樫七色(とがしなないろ)です。14歳です。.....宜しくお願いします。斉藤さん」
「.....ああ。初めまして」
その姿は身長が20センチぐらい違うが。
そして髪の毛の色は銀髪のロング。
右側に赤の蝶の髪留めをしておりそれからスタイルも抜群のクリッとした目が特徴的の少女だ。
俺が175センチあるので.....まあ妥当か。
そんなどうでも良い事を考えながら目の前の不機嫌そうな顔の少女を見る。
「私は冨樫春(とがしはる)」
「.....お、おう」
そしてそのまま、トイレに行きます、と去って行く春という少女。
その姿を冨樫さんは、春!、と止めるが。
行ってしまう。
全く.....、と冨樫さんは頭を抱える。
その姿を見ていると。
俺の前に七色が一歩を踏み出してきた。
冨樫春という少女の事は気にせず、という感じで。
「ねぇねぇ。斉藤さん♪」
「何だ」
「何でそんなに不機嫌そうな顔をしているんですか?」
「.....これは生まれ付きなんでね」
「お姉ちゃん達みたいに不機嫌なのは良く無いですよ。アハハ」
少女はニコニコする。
余計なお世話だな。
思いつつ俺は.....横を見つめる。
こういうあざとい笑顔は苦手だ。
結局はこういうのは裏切る奴らばかりだしな.....。
信頼していた家臣に.....裏切られる様に。
俺の人生の経験がそうだったし。
考えながら.....俺は適当にあしらった。
するとその様子を見ていた冨樫さんが七色に言う
「七色」
「はい。父様」
「.....すまないが春を説得してきてくれないか。.....そしてすまない。斉藤くん。いや。一真くん。娘達はどうも.....君が苦手な様でね」
「.....それは何処に行っても同じですので大丈夫です」
「.....そうか」
それに.....な。
どうせこの家もそのうち俺を捨てる。
その様に考えながら.....別に3人と仲良くする気も無いと思う中。
先の未来を考えながら.....俺は冨樫さんを見る。
すると冨樫さんは、じゃあ君の部屋を案内しようか、と言い始めた。
笑顔で、だ。
「.....はい」
「.....一真君」
「.....何ですか」
「.....そんなに緊張というか.....その様な顔をしなくても大丈夫だ。.....この家は君の家と思ってくれて良いから」
「.....それは無理です」
見開く冨樫さん。
そして難しい顔をする。
そうか、と。
俺はそこだけは断言出来る。
馴れ馴れしくするつもりも無いし。
この家が.....俺の実家に感じる事は出来ない。
それが俺だから、だ。
簡単に言えば.....俺を栄養剤の有る花瓶に入れてくれたつもりだろうけど。
そんな簡単にはいかない。
復活する事は無い。
俺は絶対に仲良く出来ないと思う。
と。
そう思っていた矢先。
冨樫さんが俺の手を握ってきた。
それから笑みを浮かべる。
「.....君がそれならそれでも良い。.....だけど一つだけ覚えていてほしい。.....この家は君の家だ。.....だから君が自由に使って良いからね。.....それだけだ」
「.....!」
「.....君の環境は知っている。.....だから何も言わないから。.....一緒に頑張ろう」
今まで出会ったまともじゃ無い奴らの中で。
一番違う事を聞いた気がした。
だけど.....多少はマシと思っていてもな。
思いつつ俺は溜息を吐く。
これは.....俺と3姉妹の。
ラヴコメに近いラブコメ的なものだ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます