神崎ひなたは振り向かない

あきかん

神崎ひなたと結ばれた世界

 神崎ひなたは突如僕の前にと現れた。人通りの激しい大通りで、ポツンと人一人分の空間が開いたそこは、空間が歪み、それが徐々に人型となって神崎ひなたはこの世界に顕現した。

「狐さん!一緒に逃げよう」

 と、神崎ひなたは僕の手を取り走り出した。

「神ひなさん!どういう事なの?手を握ってくれるのは嬉しいけど、突然すぎるよ」

「奴らが狐さんを狙ってる!だから逃げなくちゃ」

 相変わらず突然現れて嵐のように騒ぐ人だ。僕はそんな神崎ひなたが愛おしい。

「神ひなさん、奴らって誰のこと?」

「ひな紺が許せない全ての人。この世界線が許せないってここまで追ってきた」

 何で?神ひなさんと僕が仲が良いのは正しい歴史なのに。

 僕達は路地裏を走り抜ける。奴らはすぐそこまで迫っていた。

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