ご当地小説完成できなさそうなんで、書けた部分だけお出ししてみる

筆者:仮タイトルは『リミッツオブコントロール』で、元ネタ(映画)みたいな感じの、札幌を舞台にした作品(予定)です。


 札幌がどのような街かいうと、『(内陸にあるから)海以外なんでもある街』である。大型複合施設も繁華街もある。郊外には空港も温泉もある。あと何年もすれば、新幹線もくるだろう。

 人もそうで、探偵がいれば、ヤのつく自由業もいる。天使だって、邪神だっているかもしれない。そんな中にはだっているのだ。


 新札幌駅の改札口横のベンチで、男がグチっている。

「安野モヨコ展見に、はじめて釧路行ったんだけとろ、ホント遠いよなあ」

 少女は、そのグチを黙って聴いている。


 MALZENやBOOKOFFのある通りを抜けたところにあるマックの外で、少年が路地にすわり、ハンバーガーやポテトを食べながら、モグモグ言った。

「札幌って、二ホンでも涼しいはずだろ、なんだこんなあついんだよ」

「……今年はとくに暑いって」

 少女はコクンとうなずきながら、そう返す。

「マジかよ、クソアツいとっから涼しいとこに来たはずなのになあ」


 レゴで作られた駅のジオラマを見ているターゲットの首すじに針を突き立てる。

 針を引き抜くと、ターゲットはそのまま膝から崩れ落ちる。それを確認すると少女は、東豊線福住行きのエスカレーターへと歩みだした。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る