No.73「物書きがはじめに知るべきこと」
「時間旅行者じゃなくても時代劇を書けるし、恋愛経験のない人もラブロマンスを書くことができる」
「そう、だったのか……」
呟いた弟子の顔は、酷く青ざめて見える。
「喜ぶ所じゃないのか?」
「ええ。でも、もっと早く知りたかったです」
私はそこでようやく、彼の手が血に塗れていることに気が付いた。
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