僕の味方
加藤ともか
第1話 少年の日の苦い思い出
僕が中学二年生の頃の話だ。
『キモキモキモキモキモキモキモキモキモキモキモ……』
ただひたすら『キモ』と書き連ねられた
僕は中学校で
その虐めの主犯格だったのが、柔道部の
僕が教室に入ると、皆がまるでばい菌のように僕を避けていった。近くの席の奴は、その必要も無いのに
『キモオタ』
『ブサイク』
『
『ハゲ』
『
こんなのは氷山の一角。まあ、彼らは馬鹿だもんで、
席に座っていると、後頭部に強い打撃が一つ。毎日やられるもの、もはや麻痺して痛みも何も感じなくなっていた。
「ああ、ごめんなぁ。手が滑ってしまったんだぁ」
ああ、分かる、この汚い野太い声。背後から感じるウドの
冬也のふざけた言い訳と共に、教室には笑い声が響き渡る。僕に冷たい
「我慢しなさい。どうせ高校は違う所に行くんだから」
僕の両親は古風な人だった。この時代に、父は三十五、母は三十三にして
両親共に、古い価値観の持ち主だもんで、不登校なんて『有り得ない』と頑なに譲らなかった。ひっぱたいても学校に行かせていた。それで僕は地獄を見た。
先生は先生で、特に取り合ってはくれなかった。事を荒立てられたら学校の
クラスメイト達も、親も、先生も、みんな僕の敵だった。だけど……。一人だけ、僕の味方でいてくれる人がいた。
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