どうするのか
一色 サラ
01 未来と今
空を見上げると、 青い空に、薄い雲が、ゆっくりと流れてように、動いている。熱風が学生服がベタベタと肌にくっついて、暑い。
高校2年生に東芝竜也は、明日から夏休みに入るのに、どこか絶望を感じていた。どうやって、この夏を過ごすかなど、全く希望のない夏休みを想像している。
何か、刺激が欲しくても、どうやったら、刺激をもらえるのかも分からない。
親の顔色をみて、怒らせないように、言う通りに生きて、何も考えないようにしてきた。だから、何も成長しないのだろう。親のために生きなくていいと思いつつ、見捨てられるのがどこか怖い。
「竜也、ぼーっとして、ここで何してるの?」
後を振り向くと、同級生の近藤明日実が立っていた。
「帰る途中だけど」
「じゃあ、あの店に入ろう」と手を引っ張れて強引に、ファーストフード店のマイルドに連れていかれた。
時間があるかどうかさえも、聞いては来なかった。竜也が暇だと思っているらしい。だけど、実際に暇だtた。
注文カウンターに連れていかれて、「何にする?」と聞いてくる。
「俺はいいや」というと、勝手に注文して、竜也の分まで、勝手に決めて、お金を明日実がすべて、支払ってしまった。
竜也はさすがに、女におごられるのが嫌で、お金を渡そうとしたが、「いいじゃん、私が強引に連れてきたんだから」とお金を拒否された。それでも渡そうとしたが、「お願い」と断られて、竜也は諦めて、「次は、俺がおごるから」と言った。明日実は「わかった」と笑顔で竜也を見た。
商品を受け取って、「こっち」と席も勝手に決めて、二階に上がって、4人掛けの席に向かって、歩いていって、座ってしまった。
「ねえ、夏休みの予定は?」
竜也が座る前に、話しかけてくる。
「特にないけど」
「じゃあ、キャンプ合宿に参加しない?」
竜也が黙りこくっている。
「じゃあ、参加で決定ね」
「何も言ってないけど」
「いいじゃん、とりあえず、参加で決まりね。」
「だから」と答えるも、 竜也は、行きたい気持ちと行きたくない気持ちが交互に湧きたっていた。誰かと仲良くすることや、何かを協力して達成させることが苦手で、いままで、部活にさえ入部したことがなかった。どこか人生を無駄にしているようにも思える。だけど、誰かに迷惑をかけるのではないのかと、どこかビクビクして、参加することを諦めていた。今回も、内気にこもりやすい性格が発生して、何からも逃げたい気持ちが勝つじゃないかと、参加をすることに積極性が見出すことができない。
「竜也。とりあえず、8月2日から3泊4日だから。よろしく」
断るつもりだったが、明日実に悪いと思ってしまう気持ちもあって、断ることができない。
「ああ、ただ、親に聞かないとだめだけど」
「何がなんでも、行くって言ってね」
「なんで、そんなに参加させたがるの?」
「いいじゃん、楽しいよ」
明日実は、これ以上はキャンプの話をしようとしなくなった。
母親に「キャンプ合宿に参加したんだけど」というと、「そう、珍しいわね。」と言われて、反対しては来なかった。父親も「そう、分かった」と言われて、行くなとは言われない。竜也は言うことに、緊張していたのに、呆気に取られてしまった。
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