青年の日の思い出
石田 悠翔
第1話少女に撃たれ、死んでいく。
この状況は一部の人間にとっては、夢のような空間であろう。
今、僕の額には、銃が突き付けられている。
「動かないでください。」 目の前の少女は、冷酷な目で、 こちらを見上げてくる。
その目に、少し鼓動が早くなる。
どうしてこうなった。俺は、何か悪いことをしたのか?そもそも、どうしてクラスメイト にこんなに物騒なものを向けられればならないのか。 文化祭にはまだ早いぞ。 それにこの学
校には演劇部などないぞ。
「思考を巡らせ、たどり着いたたった一つの解。 「今日はいい天気ですな。」
いつもなら使わないような語尾を発してしまう。 「ふざけているんですか。 イワサさん。」
少女は引き金に指をかける。
「いやいや、ちょっと待ってよアヤセさん。」
少女の
様子は、変わらない。 「ぼく、何かした。 君に対してぼく、まだ何もしていないんだけど。」
「つまりは、これから何か私にしようとしていたの。」 もしかしたら、いや、もしかしなくても墓穴を掘ったのかもしれない。
その瞬間、破裂音とともに、意識が消えていく。 体は立つ力を失い、膝から崩れ落ちる。
少女はポケットの携帯を取り出して、耳に当てる。
この事件中、通話は繋がっていた。
「対象の暗殺完了しました。」 そう言うと、彼女は通話を切り再びポケットにしまった
仕舞い、彼女は教室を後にする。
夕日の差し込む廊下を彼女は進む。 その頬は夕日に照らされ、 返り血は色に隠されている。
完
青年の日の思い出 石田 悠翔 @Ishida1210
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