君といたら花火が観える気がする。
mel mel
第1話 一人の少女
夏の風物詩である「花火」。
僕はまだみたことがない。
また息苦しい日々が
この僕を迎え入れるのだろう。
暑く輝く日差しが照っている。
風のない朝を進む僕は
氷が溶けるような表情をして校舎を抜ける。
「あぁ、またか …。」
僕は教室に入り毎日同じ光景を目にする。
机に無理やり詰め込まれたぐしゃぐしゃの紙たちを
早々と片付ける。
「毎日、よく懲りないよね笑」
「捨ててくれるよね、ありがたい笑」
と、教室の端から次々に聞こえてくる。
聞こえてないとでも思っているのだろうか。
前者に関しては一言一句返してやろうか。
そんなことを考えながら一日が始まる。
「高梨 端乃さん」
「はい。」
「鶴ヶ谷琉心君」
「 …はい。」
僕は自分の名前が嫌いだ。
親が決めたと言っても、
それに見合わない容姿だからだ。
だからといって変わる気はない。
少しの変化にも気づく彼らは
きっと僕を嘲笑うだろう。
机と向かいあわせの日々の中、
一人の少女が近ずいてきた。
「今日、みんなで海に行くんだけど一緒にどう?」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます