詩お 時戻しの扉
仲仁へび(旧:離久)
第1話
(この世界にもう価値を感じられないから)
(私は開いていたその扉の向こうへ飛び込んだ)
この今にも いつか来る未来にも魅力を感じないから
かつての過去に戻りたいんだ
誰よりもこの世界を愛して
誰よりもかつての世界を理解していた
(さぁ 知っている事ばかりの過去へ)
扉を開いて 既知の世界へと飛び込んでいく
静かに溺れていく 無垢な愛情を向けられながら
混ざった異物 知らずに世界をかき乱して
混沌をもたらす悪 いつの間にか死神と化していた
(幸福だったはずの過去の世界が崩れ去っていく)
(私は忘れていたのだ。私という存在がすでに既知ではなくなっていた事を)
「ストーリー1」
どうか許して。
私は知らなかったの。
あの過去の世界がどれだけの、偶然と幸福の上に成り立っていたのか。
子供のようなわがままで私はそれを壊してしまった。
「ストーリー2」
かつて地獄のような世界を幸福に導いて、その対価に命を落とした者がいた。
彼はそれで、その幸せな世界がずっと続くとそう思っていたのだ。
詩お 時戻しの扉 仲仁へび(旧:離久) @howaito3032
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