Gの逆襲

3.14

Gの逆襲

【2000X年】9月△日

「人類滅亡」

ある時、A国とB国が戦争をしていた。

A国は、最新の武器や独自に開発された兵器などを使いB国をどんどん、攻め込んでいた。しかしある日、B国がなんと核兵器を使い始めたのだ。強い軍隊や高性能の武器、戦況が一気に変わってしまった。今まで勝っていたA国が、B国に負けそうになっていた。A国は、核兵器を作っておらず今から作るのにも時間が無い。例え時間があったとしても核兵器なんてものを造る資材は、無い。

圧倒的危機的状況なのである。

そのため、ある会議が行われた。国のトップは、勿論、国の権力者や役人などが集まり様々な意見が出された。B国の資材を運んでいる列車を爆破するやら敵の軍勢を挟み撃ちにするやらあまり良い意見は、出なかった。そして長いこと沈黙が流れた。

そんな時、ある意見が出された。

その日からA国は、ある実験を始めた。そう、それは、G(ゴキブリ)を使った実験である。Gは、知能指数(IQ)も他の生物に比べて高く生命力も強い。Gの頭を切断してもその後すぐに自分の頭をくっつける、といったデータもある。

他にも様々な能力があるに違いない。こうしてGへの実験が決まった。しかしA国もGを使った実験は、初めてであった。そして実験をしていくと失敗は、つきものだ。大量のGの死骸が出てしまった。もちろんそのまま外に捨ててしまうと他国の者に気づかれてしまう可能性がある。

なのでG達の死骸は、実験施設内の倉庫に破棄し、一定期間保管しておくことにした。

こうしていくつのも実験が行われとうとう完成した。

その名も、「人間型G兵器」。

勿論ただ人間の形をしたゴキブリのロボットなどでは、無い。外装部分には、特殊な金属で作られており強い酸性の薬品や、銃弾でも傷ひとつ付かない。

しかしどんな物でも動くためには、エネルギーが必要だ。なんとこのG兵器は、どんな物でもエネルギーに変換する事が出来る。外部からの光や熱でさえもG兵器にとっては、動力源となる。もっともそれが破壊されたとしても、G兵器の中には、大量のエネルギーが内蔵されているから問題は、無い。そして肝心のIQは、最高1000となる、と言ってもほぼ測定不能であった。

こうしてA国は、完成したG兵器を何体かB国に送った。これでもしB国を倒せるほどの戦力がなかったとき、莫大にかかったGの実験費用が水の泡となる。

そして何日かたったある日、G兵器達は、なんとB国の軍勢を殲滅してしまったのだ。

A国は、B国に勝った資金でまたG兵器を作っていった。そしてこれに味をしめたA国は、次にC国を倒そうと戦争をしかけた。

しかしC国は、昔から眠れる獅子と呼ばれており、毎日の厳しい訓練、頑丈な肉体、そして、時には、冷静な判断。そんな国にA国は、G兵器を大量に送った。C国もA国に対抗するための様々な、トラップを仕掛けた。だが最高IQ1000のG兵器にとってそれは、造作のない事であった。しかもG兵器は、見たり触れたりした物を全てコンピュータ内で設計図を作りそのデータをA国に送ることもできた。A国もそのデータをもとにまた多くの武器を作っていった。

そしてとうとうA国は、C国を倒したのだ。この勝利は、他の国々に伝わり大きなニュースとなった。A国は、戦争に勝った資金でまた多くの武器、兵器を作った。人間型G兵器も改良され、A国は、どんどんと強くなっていった。

こうしてA国は、D、E、F…と次々に国を支配していった。

しかし最後の国、Z国は、少し変わっていた。

今まで戦ってきた国は、強い武器や強い軍隊、武力的な強さがあった。それに対してZ国は、情報を伝えるのが速く、攻撃をするとなにで攻撃されたのか、それに対して何が有効か、多くの武器に対する知識を持っていた。

一方、A国は、Z国内の情報を全く把握しておらず唯一、分かっているのがZ国は、城壁に囲まれており攻めにくい島国だという事。

下手に攻撃するとすぐに気づかれ、返り討ちにされてしまう。

Z国は、城壁に囲まれている、攻撃したらすぐに情報が伝わる、そして戦闘員が来る。

防御面では、とても堅い。

しかし、ある部分だけが、がら空きだ。

そう、それは、空だ。いくら壁を作ったところで上には、何も無い。そして情報がいくら速かろうが爆弾かなんかを落とせばこっちのもんだ。

では、何を落とせば良いのか。

まず挙げられたのがG兵器だ。今やA国は、G兵器を主流に戦っている。しかしいくら頑丈なG兵器でも高いところから落とされれば機能に支障が出るかもしれない。勿論、壊れるかもしれない。すると、そのときある事を思い出した。それは、B国と戦っていたときのことだ。B国は、途中から核兵器を使ってA国、我が国を倒そうとしていた。なら、我々もZ国を倒す為に核兵器を使えば良いのでは、ないか!。こうしてA国は、核爆弾への研究が始まった。

そしてある日、とうとう完成した。

核爆弾が。

まず作戦は、こうだ。Z国に爆弾を落とし内部に集中がいってる間に、城壁を破壊し、G兵器を送り込む。

たったそれだけだ。

それから何日か経ち、作戦実行の日が来た。

時間にして朝、上空からでもよく見え、人の動きも、それほど活発では、ない。

そして落とした。

Z国内では、皆そっちに警備が行き外は、警備が薄くなっている。今だ、壁を破壊しG兵器が突入する。Z国内では、大混乱、ほとんど壊滅状態である。そしてとうとうA国、我が国が勝利した。

しかし、人間、完璧にするのは、不可能であった。G兵器、すなわち人間型G兵器は、時間が経つにつれある疑問を持つようになった。それは、「なぜ人間に従わされ人間を殺さなければならないか」。

そしてある日見てしまったのだ。Gの死骸が破棄されている倉庫を。

その日からGは、人を、いや、すべての人間を殺すようになった。国は、早急にG兵器の暴走を止めるようにと、開発者に伝えた。しかし一向に収まらない。原因不明の暴走であったのだ。やむを得ずA国は、とある薬品を作った。その名は、O15。

史上最恐の薬品である。

G兵器にかけてみると白い煙を出しそのまま蒸発してしまった。そしてこれを使い、次々とG兵器を倒していった。これで人間型G兵器は、絶減するかと思われた。

しかし人間型G兵器には、学習能力があった。

O15を使い始めて数日が経つとO15が全く効かなくなってしまった。そして人間型G兵器、いや、Gは、人間を滅ぼしてしまった。しかし今、人間は、生きている。

Gは、長いこと進化を続け、最後には、「人間」になった。

そう、君たちは、元ゴキブリだ。

ここで話したことは、秘密だ。

誰にも言っては、いけない。


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