第18話 サケビ

夕焼けが悲しさを増して行く。

海に一人。振り返ると堂々と海を見つめる病院があった。

普段は何も思っていなかった建物が今日は言葉では表せない気持ちになる。一筋の涙が溢れた。

一人で本当に良かった。一生分の涙が流れる。

「あーーーーーーー。なんでだよ。なんで・・・」

海に向って大きく叫んだ。

それからまた眺めた。船が海面を割って行く。

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