フランス革命の歴史観

 

 フランス革命とは一体何だったのでしょうか。


 ひとまずは、自由を求める市民たちが蜂起して人権宣言を出した(1789年)と思っておけばよいでしょう。「人間は生まれながらにして自由であり平等」の文言は有名ですね。


 その前後の経過はとてもややこしいです。フランス革命の期間中には実に色々な事件が起きます。

 ここで注目したいのは「革命が進む」という視点です。

 革命というのは要は偉い人をやっつけて弱い人が政権を握ることを言いますから、革命が進むというのはその傾向がどんどん強まることを意味します。


 非常にざっくり説明しますと、フランス革命では、政治の主導権を握る層が、王、貴族、ブルジョワ(お金持ちの市民)、民衆(お金持ちでない市民)、という風に進んでいきます。やはり偉い人から順にやっつけられていますね。そして、革命独裁の時期になるとそれが行きすぎてしまいました。

 その頃に政府の実権を掌握した者の名は、ロベスピエールといいます。


 ロベスピエールの恐怖政治のもとで、民衆の味方でないものや、革命に反対するものなどが、次々と死刑になりました。

 また、革命の最終目標である、貴族たちの特権の廃止も決まりました。

 さらに、革命を潰そうとする国々との戦いにも勝利しました。


 このようにしてどんどん進んでいったところで、革命は大きな揺り戻し、つまり「反動」に見舞われます。

 もう革命の主な目的は達成されたので、これ以上革命を進めることに利点はない……そう考えて政府に反旗を翻したのは、ブルジョワでした。彼らはクーデタを起こし、ロベスピエールたちをギロチンにかけました(1794年)。

 この後、ブルジョワたちは軍事力を使って政治を行い、そんな中でナポレオンが登場することになります。


 要するにフランス革命では、革命の勃発、革命の進行、革命への反動、という順に物事が進んだのです。


 この過程で一番得をしたのはブルジョワでした。最終的にはブルジョワたちが有利な状態で革命が終了し、その後はナポレオンによる帝政へと移っていきます。


 このように「革命が進む」という歴史観を軸にそれぞれの出来事を解釈すると、複雑なフランス革命の全体像がすっきりと理解できるようになります。

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