番外編2『花火』
ガチャン!ドタ!ドタ!ドタ!
「ハルくん!」
「どうしたんですか?」
仕事から帰ってきた日奈さんはいつも以上に落ち着きがない様子でリビングに入ってきた。
「今日店長が商店街のくじ引きで手持ち花火セット当ったらしくて私が欲しいって言ったらくれたんだ〜」
「欲しいって言ったんですか?……」
「うん!」
『店長あなたを尊敬します。今度コーヒー奢らせてください……』
俺は心の中で店長に感謝の意を捧げた。
夜になり空には雲一つなく星が鮮明に見える。
涼しい風が心地よくて横には日奈さんがいた。
「ねえ!この花火綺麗だね!」
「日奈さん、はしゃぎ過ぎです」
「いいじゃんかよ〜あっ!線香花火だぁ。ハルくんこれで勝負しよ!」
「たぶん勝てますよ」
「言ったな〜」
二人同時に火をつける。
少しして日奈さんの線香花火が弱くなり落ちると思った瞬間。
日奈さんが俺の口にキスをした。
そして俺の火が先に落ちた。
「私の勝ち」
日奈さんの笑顔は花火よりも明るくて可愛かった。
家出をした僕を拾ってくれたのは優しい女子大生でした。 星海ほたる @Mi510bunn
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