第7話 冒険者登録
「ようこそギルドへ。ご用件は何でしょうか?」
「冒険者カードを作りたいのですが」
受付に到着すると髪をポニーテールにした綺麗な受付嬢が笑顔で応対してくれたので要件を伝えた。あ、受付嬢さん眼鏡掛けてる。この世界も眼鏡あるんだ。
冒険者カードを作る際身分を証明できるものはありますかと聞かれたがもちろんないので伝えると登録の際にお金が少し多めにかかるらしい。この世界のお金の価値はよく分からないけど所持金は硬貨が2枚で合計150ギル、100ギル硬貨と50ギル硬貨とゴーティア国記念金貨というもの。このゴーティア国記念金貨が何なのかも分かってない、調べてみたいが元より得体の知れない身体が持っていた硬貨であるし知識の中に悪魔関係の物でゴーティアって単語を見た知識がある。悪魔とかそういうやばい国とかの硬貨なのかもしれない、いやこの世界のゴーティアが悪魔と関係あるかは分からないけど。
閑話休題
お金が足りなかったら最悪ギンリュウさんが言っていたように借金をしてカードを先に作ろう。料金の件も了承すると目の前に登録書みたいなものを受付嬢を取り出しボクの目の前に置く。名前を書くところ、年齢、あと…変に浮き上がったボタンのような物がある。
「名前などを書き終わった後こちらに指を置いてください」
「分かりました…あの、年齢のことなんですが…」
「………分かりました、でしたらそこは空白で問題ありません。のちほど年齢を調べてみます」
記憶がないので年齢が分からないと言うことも伝えると受付嬢はにっこりと特に表情を変えることなくそう伝えてきた。年齢を覚えていないとかもよく考えれば孤児とかだと年齢を覚えていないということは多々あるのかもしれない。
とりあえず偽名でもいいと言うことなので名前の所に『シェリー』と書き、指をボタンのようなところに置く。
「いたっ」
指を置くと同時、体から何かが抜けるような感覚と同時に指先に何か針のような物が刺さったような痛みが走る。指を離すとその台座が赤く染っており抜けたのは魔力と言うことが何となく理解できた。受付嬢さんはありがとうございますと言ってその紙を別室へと持っていく。思ったより簡単だった、血とか魔力が指紋の登録みたいな感じになるのかな。
そう思っていると少し離れたところからこちらを見守っていたセシリアさんがこちらに駆け寄ってくる、キールさんとギンリュウさんは近くのテーブルで何かを飲んでいた。
「シェリーちゃん、もしもお金が足りなかったら貸してあげるからね」
「そこまでしていただかなくても…少しならあったので…」
そういえばちょうどいいしお金の価値を聞いておこうとすると受付嬢さんが難しい顔をして勢いよく扉を開けた、思ったより出た大きな音に近くにいた人達はそちらの方を向く。受付嬢さんはボクの方へ来ると神妙な顔のまま告げる。
「シェリーさん、少し別室に来ていただけますか? 良ければセシリアさん達も」
「…え?」
「は、はい。私達は大丈夫です」
「カーマさん!」
了承を取ると受付嬢さんはカーマさんを呼び、カーマさんも何があったのかと席を立つ。いつの間にかキールさんとギンリュウさんも近くへと来ていた。
合計6人の少し大所帯になりながらも応接間のような場所に送られる。窓際の席には壮年の男性が座っており厳かな雰囲気を出していた。
「ヘイロンさん、シェリーさんをお連れしました」
「あぁアリス君ありがとう。急に呼び出して悪かったねシェリー君に《白銀の風》の皆さん」
《白銀の風》? もしかしてセシリアさん達のパーティ名とかだろうか。おっと今はそれどころじゃない、思考がそれるの悪い癖だな。
「あの…ボクに何かあったんですか?」
「シェリーちゃんに何か問題でも?」
「まずはお座りください、長くなりますので立ったままでは辛いでしょう」
ボクとセシリアさんが聞くとヘイロンと呼ばれた人はボク達を席へと誘導した。ボクとセシリアさん、そしてカーマさんがソファーに座りその後ろにキールさんとギンリュウさんが立つ。向かいには受付嬢…アリスさんと窓際の席から立ったヘイロンさんが座る。
「まずは約束していただきたいがここで聞いたことは他言無用、誰にも話さないでいただきたい」
「そしてもう一つ、シェリーさんの
「ボクは別に構いませんが…」
「私達も見ていいんですか?」
「ボクは大丈夫です、ここでダメですは気になって仕方ないと思いますし…」
そういうと変な木のような石のような物体で出来た薄い板がテーブルの上に置かれる。5か所書く部分があり上の二つにはヘイロンさんとアリスさんの名前が書いてあった。どうやら当事者であるボクとギルドリーダーであるカーマさん。そしてパーティリーダーであるセシリアさんの名前が必要なようだ。
ボクが許可を出しているのでそのまま二人ともそのまま名前を書く、そしてボクのらしい冒険者カードをその板の上に置く、そして「承認」とヘイロンさんが言うとまるで立体映像のように文字が浮かびだす。
シェリー
LEVEL:Ⅰ 0/
適性:杖>ナイフ>拳
高能力:魔力
もうちょっと細かく書いてはあるが要約するとこのぐらいである。
レベル1で典型的な魔法使いっていう感じだが…
「なっ…!?」
「嘘…!?」
「こんなことが…」
上からカーマさんセシリアさんギンリュウさんである。キールさんはボクと同じように首を捻っていた。特に変なところは見当たらない、しいて言うならレベルの横に0とスラッシュのような物があるぐらいだ。
「何故…レベルが1何ですか…?」
セシリアさんは無理やり出したような声でそう呟いた。
――――――――――――――――――――
次回は用語集を作るので少し遅くなります。
冒険者カードをギルドカードと書くというミスをやらかしていたので…
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