星の輝き

ruckynumber

星の輝き

「外の世界に行ってみないか?」

ある日、Nがこう言った。

「なんだそれ」僕は少しの期待を言葉に含めながら聞いた。


「外の世界はな、すごく広くて、こことは全く違う景色らしいぜ」

僕たちの回りは常に煌々とした世界だ。

確かにいってみたい気もする。

「よし、じゃあ出てみるか」

「だけど、絶対に方向を変えないで。核と真逆の方向に進み続けるんだ」

「分かった行こう」


俺からずいぶんまっすぐ進んだ。

でも、景色が変わる気配は見せない。

「いつ着くんだ、そこ」

「わからない。でもすごく遠いらしい」

「それを早く言えよ」


それからまた長い年月が流れた。

そして、とうとうその時がやって来た。


ばあっと暗闇が広がる。

そこは寒く無限のような広さをもつ暗黒の場所だった。

彼らは少し離れたところに灰色の星を見た。


彼らは太陽光。原資格と電子に妨げられて、百万年をかけて星の外に出る。

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