第37話 心機一転
『まずは進化先の確認からだな、前回は急いでてじっくり考えずとりあえずの順当進化を選んじゃったし』
そう言ってアストルは目の前のステータスに手をやり種族欄をタップする、すると現在進化可能な進化先が表示される
【ゴブリンジェネラル】
:ゴブリン族の将軍、味方の指揮や鼓舞を得意とする
力も強く身の丈以上の武器を振るう
【ゴブリンウィザード】
:ゴブリン族の賢者、あらゆる魔法を繰り出し操るその姿はまさに賢者の名に相応しい
【オーガ】
:鬼の魔物、力が強く並外れた体力は荒ぶる鬼の名に相応しく、皮膚も堅いので殆ど刃が通らない
以上がアストルの進化可能先、正直どれでもいいと思ってしまうがそうも言ってられず真剣に選ぶ
名 アストル 種 オーガ
Lv 1/50
HP:5000/5000 MP;12000/12000
力:Ⅾ 守:Ⅾ 速:E 技:E+ 魔:Ⅾ
【スキル】
変化なし
【魔法】
変化なし
【称号】
変化なし
【加護】
変化なし
ステータスの変化は殆ど無かったが見た目の変化が著しかった、身長は約2メートル程もあり赤黒い肌は筋肉がみっちり詰まっており、額に角の様なこぶが二本あった
『アストルデカい…』
進化して大きくなったアストルを見上げながらオルトは若干羨ましいそうにしていた
『オルト進化すればこのくらいデカくなるだろ』
オルトの視線に耐えきれなくなったアストルは適当な事を言って気を逸らしオルトの進化先を表示させる
【ゴブリンジェネラル】
:ゴブリン族の将軍、味方の指揮や鼓舞を得意とする
力も強く身の丈以上の武器を振るう
【ゴブリンナイト】
:ゴブリン族の騎士、武勇に丈高い防御力を誇る
【オーク】
:鈍足だが力が強く耐久力もある、嗅覚も鋭い
自身とは少し違う進化先を見て何となく進化先の出現条件が分かった気がする、多分進化先はその者の行動に大きく左右されると思われる、アストルは魔法をよく使うからウィザードが出て攻撃も頻繁にするのでオーガが出たのだ
逆に守りを重視したオルトは守り寄りの進化先が出てきたと何となく理解できた
『オルト、どの進化先にするんだ?』
『オーク』
『ん?すまん、もう一回行ってくれ』
『オークにする』
『えぇ!?オーク!?』
オークと言えば高速強化の時に何度か倒した事のある魔物だ、大きく太った体に短い手足、そして豚の頭を持つ魔物だ
『何でオークにするんだ?ナイトやジェネラルの方が良いと思うが…』
『大きいから』
絶句、オークを選んだ理由がまさかの大きさだった、確かにゴブリンと比べればオークは大きい、しかし手足が短く動きが遅い残念なイメージしかない、多少の耐久性も動きの遅さから一方的に攻撃を受けることは目に見えていて大きな利点にならない
『いいのか?あいつら滅茶苦茶弱かったろ』
『鍛える、奴らは怠け者、おらとは違う』
(…確かにその通りだな、あいつらは、と言うか魔物全般そうだが己を鍛えようとしない、現状のままの自分に満足して自分より弱そうな者しか狙わず生きる、まぁ普通はそうか…)
『それじゃオークに進化で本当にいいんだな?』
『おう』
一言答えるとオルトの全身が光りだしシルエットが徐々に変わりだす、光が収まるとそこには立派な腹を携えたオークが居た
『無事に進化出来たみたいだな』
『重い…』
『…だから言っただろ』
オルトは自分の腹をいじりながら感想を口にする
『オルトがこのままだと俺も大変だからこれから一緒にダイエット頑張るか』
『おう!』
元気のいい声を出して返事をするオルト、この元気がいつまで続くのか楽しみなアストルだった
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