第二章
第17話 JK×エルフ×踏襲
第二章開幕です!
新キャラたくさん出るのでお楽しみになのです!
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私【南部 雪奈】と超絶てぇてぇロリっ娘ハイエルフの【マリィ】で『辺境都市レイムーロ』に向けて出発して三日がたった。
出発した日はマリィの機嫌を損ねてしまったがその日の夜、実際に『短距離転移』を使用。家に戻りいつも通りご飯を食べて、アヒルのおもちゃを餌にお風呂で念入りにマッサージしてあげることでいつものマリィに戻ってくれた。
チョロかわいい。
SDのオリジナルキャラをモチーフに【創造】で創った手の平サイズの転移ビーコン、その名も『転移B子』の有用性が証明されて何よりだ。
こんな可愛い娘に野宿なんてさせられぬ!
それ以外は大した事は起きていない。
強いて言えば森を進むにつれ、魔物が強くなり、更に出口に向けて進むと弱くなって行くということが分かったくらいかな?
文字で表すとこんな感じ。
家→弱→強→弱→外
家の近くはどんなに弱くてもLv40は超えていたが、出口が近づくにつれもっと弱い魔物が出てくるようになっている。Lvで言うと大体20前後だったので私達の敵でない。
(街についたら素材を売ってお金を手に入れようと思ったけど、出す素材には気をつけないとなぁ……勘違い系主人公のようにはならんよ!)
ラノベなんかでよくある展開、強い魔物の素材を売ろうとしてお店側や近くにいたガラの悪い連中に絡まれる定番イベント。
オタクとしてちょっと興味が湧いたが『変身』しないと私は魔力バカの一般人だからやめておこう。
そして四日目の午前中、私たちはついに森の外に辿り着いた。
そこは暖かな光が降り注ぐ広大な草原だった。
「わぁ〜〜広いのです〜〜!」
「うん。それに森の中と違って風が気持ち良いね」
「はい! 森の深いところはジメジメしてたので気持ち悪かったです……」
「確かに……あ、マリィ! あそこ、あの丘の先に見えてるのが『レイムーロ』だよ」
事前にルナセイバーを使って大まかな位置は分かっていたからすぐに分かった。
ここからだとだいたい20kmくらいだろう。マリィの歩幅に合わせて歩いても7時間はかからないかな。
「どうしようか。お昼を食べてゆっくり行……くのはなしか」
『レイムーロ』を見つけたマリィの目はキラキラと輝やかせ、すぐにでも走り出そうとしていた。
いやもうホント、マジでカワイイなぁ!
「よし! マリィ、ルナセイバーで一気にレイムーロまで行っちゃおうか!」
「っはいです!!」
善は急げだ。『月光支援機』アプリからルナセイバーを選択し呼び出す。サイズは人間より一回りほど大きいくらいなので二人乗ることは出来ない。
そこで創ったのがルナセイバーの後方に取り付ける補助席だ。前のめりで乗るバイクのシートのような形状で二人乗りの要領で乗り込む仕様だ。
補助席と二人分の重さが加わり速度は落ちてしまうが歩くよりは何倍も早く辿り着けるはず。
着陸しているルナセイバーに補助席を取り付け乗り込む。降り落ち防止ベルトよし!
「それじゃあ最後にマリィ、よろしく」
「はいです! 『風壁』!」
座席はオープンになっているのでマリィに風圧対策の壁を張ってもらい準備完了。
「ルナセイバー発進!」
マリィの為に飛べルナセイバー!
ただし安全な速度かつ、なる早で!
出発から一時間経たない内に『レイムーロ』の近くまでやってきた。
ルナセイバーが目立つ事は分かりきっているので、入場門から死角になる位置で降り徒歩で向かう。
マリィは好奇心を抑えてるのか体をプルプルと震わせ表情もなんだかだらしない。まぁ私もなんだけどね。
「おぉ、でっかい」
近づいて分かったがこの都市は巨大な壁で都市全体を囲っているみたいだ。私達が向かっている門もかなり堅牢な造りになっているようで、門は鉄製、矢を射るための狭間が大量にある。
これだけ大きな門があるなら辺境都市というより城塞都市って呼んだ方がただしそうだ。
そりゃあ歩いて数時間先に魔物がいる森があるんだら当たり前か。
門の目と鼻の先までやってきた。城門には門番らしき男性が二人立っていて、その内の一人が鎧をガチャガチャと鳴らしながら走って私達のところにやってきた。
「君たち、こんなところで何をしているんだ?」
「私達は旅をしている者です。森を抜けてレイムーロにやってきました」
門番さんが若干焦ったような口調で聞いてきた。
私は予め決めていた内容を伝える。まぁなんてことない旅人だっていう設定だけど。
「も、森を抜けて来ただって? それは……この方角にある森か?」
私たちが歩いてきた後方を指差す門番さん。
「そうですけど……あ! 抜けたと言っても、あれですよ、こう浅いところを遠回りで、山を通ったりしてきたので!」
あ、危ない! さっそく勘違い系主人公みたいな事をしそうになったけど誤魔化せたかな……いや、なんかさっきよりも門番さんの顔が険しくなった。
「浅いところと言っても『神樹の森』だぞ……それに隣接する山と言ったら『降龍山脈』を通ったってことか!?」
えぇぇぇーーなにそのおっかない名前!? チヒロさんそんな所でマリィ育ててたの!?
いやいや今はそれよりもこの状況をどうする……マリィにはこういう時は私に任せて喋らないように言ってたから、オロオロと私の門番さんの間で視線を彷徨わせている。
「二人ともそんなに震えて……ここまでくればもう大丈夫だぞ? オォイ、すぐに衛生兵を! それと隊長……いや、冒険者ギルドのギルドマスターに連絡を取ってくれ!」
ギャアァァァ! 慌てる私達が怯えてると勘違いしたのか事が大きくなっていく!! 違うんですただテンパってるだけなんですぅ!
隊長すっ飛ばして冒険者ギルドのギルドマスターってお偉いさんじゃん!
「も、門番さん……」
えぇっと、あの、そのぉ……
「……私、何かやってしまいました?」
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