イセユリJK~異世界転移したユリロリ好きJK~

PN-2

第一章

第1話 JK×異世界×楽園

 鬱蒼と木々が生い茂る、深い森の中……その中でもひと際大きく太い樹の根元に一軒の家が建っている。



 平屋でボロボロに傷んだ壁、継ぎ接ぎだらけの屋根。窓はすべて閉められており隙間からわずかな光が射し込むのみ。



 そんな平屋の一室で小さな影が床に何か絵のようなものを描いているようだ。


 近くに置かれたランタンの灯りを頼りに円を何重にも描き、円の間には様々な文字が書き込まれていく。


 そして最後の一文字を書き終えた時、その複雑な模様から光が溢れ、部屋の中を満たしていく────






 ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆






 ────キーンコーンカーンコーン



 一日の授業の終了を告げるチャイムが鳴る。

 生徒たちは手早く荷物をまとめ、帰宅したり部活へ向かっていく中、二年B組の教室に陽気な声が響き渡る。



「せっつ~ん、ミコミコとカラオケ行くんだけどせっつんも一緒に行かなぁい?」



 声の主は他のクラスの生徒のようだ。

 髪は茶色に染め、この学校の制服であるセーラー服のリボンは解け、スカートはかなり短い。ネックレスなどの装飾品を身に着けた派手目な二人組が廊下から教室を覗き込むように一人の女子生徒に声をかける。



「あ~、ごめぇん。今日はちょっと無理だわぁ」



 申し訳なさそうに答える教室内の少女。廊下の二人と同じようにスカートは短く耳にはピアノをつけているが、髪は染めておらず艶のある黒髪を腰近くまで伸ばしており、大きめのカーディガンを羽織っている。



 「えぇ~」と不満げに声を上げる二人に手を合わせながら再度謝り、教室を後にする。





 駆け足で帰宅をする少女の名は≪南部 雪奈なんぶ せつな


 彼女が友人の誘いを断ってでも帰りたい理由。それは前々から母に頼んでいた、あるゲームが今日届くからである。


 何故わざわざ母に頼んでいるのか。



 それは、そのゲームが成人向け……つまりはエロゲーだからである。



 雪奈は、所謂ギャルっぽい外見をしているが、『百合』『幼女』『エロ』が大好きな【隠れオタクのロリコンJK】なのだ。



 元々は父と兄の影響で幼少期よりヒーローものやロボットものを一緒に見ていて、小学生に上がる頃には周囲でも流行っていた【美少女剣士セーラーナイト】にドハマりした。それ以降、美少女が活躍する作品を好んで見るようになった。


 成長するにつれて周囲の女子たちはアニメの話をすることがなくなっていき、それに合わせるように雪奈もファッションやアクセサリーに興味を持ち、アニメなどから離れていった。



 そんな彼女に転機が訪れたのは中学生の時。物心ついた頃から立ち入り禁止であった母の部屋に興味本位で入ってしまった。そして部屋にあったの百合もののエロ漫画を読み、その『尊い』世界に飲み込まれてしまったのだ。


 どうやら母もオタクだったようだが、好きなジャンルが成人向けの内容が大半を占めるものだったので兄妹が大きくなるまで秘密にしていたようだ。


 それ以来、再びアニメなどを見るようになり、さらに母の熱心な教育……もとい協力で雪奈は百合好きのJKとして成長していった。




 そんな母の協力で購入した新作ゲームは、雪奈の最も愛する『金髪ロリエルフ』をはじめ、様々なロリっ娘たちと仲良くなれるゲームで、勿論主人公は女の子。



(もうちょっとで帰り着く……楽しみすぎで



 家に近づくにつれニヤつきが止まらなくなる中、ついにゴールである南部宅が見えてきた。

 駆け出す雪奈。人がいないから良いのだろうが短いスカートが風を受けヒラヒラと舞い、黒い下着が丸見えだ。



「お待たせ私の天使たち!」



 玄関に手をかけようとしたその瞬間、雪奈の足元から強烈な光を放つ模様が浮かび上がり光が雪奈を包む。



「えっ!? ちょ、何……!?」



 ──光が収まると玄関の前から雪奈の姿が消え、学生鞄だけがその場に残されていた。






 ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆






 ────ドシン!!



「いったぁ~……」



 ベッドから転げ落ちた程度の衝撃を受けた、肉付きの良いお尻をさすりながら先ほどの現象の事を考える。



(今のって、異世界ものなんかでよく見る魔法陣的なヤツ? まさかね……)



 周囲を確認してみると、どうやら部屋の中のようだ。僅かに射し込む光のおかげで夜ではないことがわかるが、薄暗く、気味が悪い。


 ふと視線を感じそちらを見る。ランタンのような器具で照らされた箇所があり、そこにいる小さな何かがこちらをジッと見つめていた。


 一瞬ビクッと体を跳ねらせながら身構える。よく見るとそれは雪奈よりも小さな人間のようだ。


 互いに目線をそらさずにいると向こうの方から声をかけてきた。



「あ、あの……」



 目の前の人物があげた声を聞き、さっきとは違う衝撃を受ける。


 その声は幼い女の子の声だったからだ。



「あなたは、異世界の人……で、間違いないですか?」


「え? あぁ……多分そうなのかな……?」


「……ました」


「え?」


「成功しましたぁぁぁぁぁぁぁ!!」



 状況を飲み込めず困惑する雪奈。それに対してぴょんぴょんと飛び跳ねながら喜びを表す幼女。結構な勢いで跳ねているため、彼女の来ている貫頭衣のような服の裾が舞い上がり中身が丸見えになる。


 そこには本来あるべき布が無く、が広がっていた。



「ご馳走様でぇぇぇぇす!!」

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