Episode 28「二層」

――【ツユ】――

・LV「23」

▷MONEY「1,413,380」

――【STATUS】――

・POINT「0」

・HP「230/230」

・MP「230/230」

・SP「230/230」(100)

(全ステータス20%上昇)

▷STR「181」(200)

▷VIT「181」(740)

▷INT「181」(20)

▷DEX「181」(20)

▷AGI「217」(520)

▷LUK「6824」(50)

――【WEAPON】――

▷右手「道化師のナイフ」

▷左手「道化師のナイフ」

――【ARMOR】――

▷頭「黒竜のヘルム」

▶手

 ▷右「黒竜のガントレット」

 ▷左「黒竜のガントレット」

▷胸「黒竜のアーマー」

▷腰「黒竜のスカート」

▷足「黒竜のブーツ」

▷その他

 「女王赤蜂の羽」

 「黒竜の心臓」

――――――――



 天使装備から、さっき入手した黒竜装備を着てみた。


 『黒竜のマント』と『女王赤蜂の羽』は一緒に付けられないから、今は羽にしてる。


 マントはヘイト上昇っていう効果があるけど、よくわからなかったから、空を飛べるらしい羽を選んだ。


 それに、羽は赤色で、黒竜装備もところどころに赤が入ってるから、色合い的にもバッチリ。


 でもこれ、同時に手に入れたスキル『竜鱗』『硬化』『竜化』の効果も合わせれば、天使装備と同じく死なないんだよね。


 死なないって言っても、系統が違うけど。


 天使装備の効果は、死なない。


 黒竜装備の効果は、スキルも合わせれば物理攻撃、魔法攻撃を100%以上ガード。


 という風になってる。


 だから、黒竜装備は毒とかがあれば死んじゃう可能性はある。


 加えて、装備を着ているプレイヤーにしか効果は付与されない。


 まあそれは、嬉しかったり嬉しくなかったり。



 でもそれだけだと、天使に劣って見えてしまうけど、そんなことはない。


 攻撃力と素早さがめっちゃ上がった。


 攻撃力は、めっちゃ高いってわけではないと思うけど、標準辺りまで、もしくはそれよりちょい上のところまで来れたのは確か。


 素早さに関しては、遅くならない程度にポイントを振るプレイヤーが多いらしく、その為レベル20前後でこの数値は中々少ないとのこと。


 ようは、私は平均くらいのステータスを手に入れたんだ!


 プラス、通常攻撃では死なないという折り紙付き。


 

「ツユちゃん、似合ってるわよ!」

「中々に良き……!」



 格好も恥ずかしくない。


 あ、いや、別にニヤけたりしてないよ!? 本当だからね!?


 よ、よし、余ったアイテムを二人にも渡したし、



「それじゃあ、行きましょうか!」


「第二層へ!」


「おー!」




◇ ◇ ◇




◇トレイル王国◇




「「「おぉ~!」」」



 城があって、屋台があって、家もある。


 そこは中世ヨーロッパのような風景の、国だった。


 一層とは違って、NPCと言われる人たちも沢山いる。


 一層にもいたにはいたんだけど、あんまり多くはなかったかな。



 

 ここに来てやることは決まっている。


 二層のフィールド探索もしたいけど、それは用事が済んでから。


 で、その用事というのは、



「ツユちゃん、あそこに掲示板があるわ。見てみましょう」



 酒場のような店の前にある掲示板には、人員募集と書かれた紙が何枚も張り出されている。


 そう、人員。


 できれば強い人が良いという気持ちもあるけど、どっちかと言うと、ギルドをもっと賑やかにしたいということで、私たちも募集することにした。


 

「とりあえず募集を掛けてみるわね」


「お願いします」


「えっと、ギルメン募集、初心者歓迎、ギルド名は……どうする?」


「そういえばまだ決めてなかった……」


「何にするー? かっこいいのが良いよね」


「私はなんでも良いわよ?」



 二人が私を見る。


 

「え、わ、私ですか?」


「ツユちゃんはギルドリーダーだしね」

「そうそう」


「え、リーダー!? そんなの聞いてませんよ!」


「あら、ギルドホームの資金を全部負担しておいて逃げる気なのかしら?」


「うっ……はぁ、リーダーはわかりました。でも名前は二人も考えてください!」



 私、ネーミングセンス皆無だから……。


 

「じゃあ、今まで通り空欄にしておくっていうのは?」


「まあ憧れたりはするけど……実際、なんのパーティーかわからなくなるだけよ?」


「だよねぇ……」



 空欄……憧れる理由がわからないけど……。



「私たちの名前から一文字ずつ取るっていうのは? ツ、フ、レ、みたいな感じに!」


「うーん、良い案だけど、これからメンバーを募集するのにそういう名付け方しちゃうと、ちょっとねぇ……?」


「確かに……」



 難しいんだなぁ……。



「でも、リーダーから何かを取るっていうのは良いかも……」



 そう言って私を見るフレアさん。


 取るって、何をですか?

 


「例えば……黒竜とか、不死身とか」


「良いかも! ブラックドラゴン……だとボスの名前になっちゃうし……」



 えっと、あの?



「死なない竜……デッドドラゴン? ……不死竜……とかはどうかしら!」


「不死竜……良い! 良いよ!」



 ちょっとかっこいいかも……。



「ねえ、どうかしら?」


「私は大丈夫ですよ。でも、ヘッドさんは……」


「あぁ大丈夫大丈夫。男はむしろ跳んで喜ぶから」


「そ、そうなんですか?」


「そうなの。じゃ、ギルド名は不死竜にしておくわね」


「ツユも、ギルド管理画面から早く改名しないと!」


「あ、うん。わかった!」



 ギルド名、不死竜。


 ちょっと恥ずかしいけど、一緒に考えて(?)決めた名前……なんか嬉しい。


 

「ツユ」

「ツユちゃん」



 心の内でワクワクしていると、二人が笑顔で振り向いた。


 首をかしげていると、



「これからよろしく!」

「よろしくね」


「うんっ!」




 最初はゲームなんて興味は無かったけど、レイミーに誘われて、今ならそれが良かったって、胸を張って言える気がする。


 心の中で、だけどね。

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