第25話 まずは下見をするに決まってるだろ!
ターラにダンジョンがあるなら話は早い。ボルヤーグ連合へ飛ぶための資金はここで稼ぐとしよう。あとアレスくんを鍛えるにもダンジョンは丁度いい。
と考えてたら、ミシェパが慌てて声をかけてきた。
(まさかいきなりアレスヴェル様をダンジョンに連れ込むわけではないだろうな)
まさかもなにも、そのつもりだよ。もちろん無茶なことなんてさせないし、しばらくは一階でじっくりとやってくつもり。
(しかし、いきなりダンジョンとは……)
ミシェパが心配する気持ちはわかる。けど、アレスくんはミシェパと一緒に魔族軍から逃げ続けてきたんでしょ。アタシと出会ってからも、何度かヤバイ場面を越えてきてる。ミシェパが思っている以上に、アレスくんはしっかりしてるよ。
それよりなにより、アタシ一人でダンジョンに潜ったら、その間アレスくんは一人になっちゃう。
(確かにそうだな。シズカ、くれぐれもアレスヴェル様を頼むぞ。私も精一杯お前のバックアップをする)
あんがと♪
というわけでこれから早速~、
(ダンジョンに潜るのか?)
ダンジョン周辺を下見します。
というわけで、アタシは散歩がてら、アレスくんと手をつないでターラのダンジョンへと向かった。
ターラのダンジョンは、街中の開けた敷地にあった。受付お姉さんの話によると、領主の屋敷を建てるためにその場所を更地にしたときに、ダンジョンの入り口が見つかったらしい。
敷地内には急ぎ立てられた感のある小屋のような商店や出店が立ち並んでいる。その多くは武器や防具、ポーションなど、地下に潜る冒険者をターゲットにした店だ。
敷地中央部には、二階建ての大きな木造の屋敷が建てられており、大きな玄関の上には「ターラのダンジョン」と文字が彫られていた。
アタシは入り口に立っている守衛さんに笑顔を向ける。
「こんにちは! ここが噂の凄いダンジョンなの? 入り口はどこなのかな?」
守衛は一瞬訝し気な視線を向けてきたけど、アタシが子連れであることを見ると、観光客とでも勘違いしたのか、愛想よく答えてくれた。
「そうだよお嬢さん方。ここがターラ自慢のダンジョンだ。ダンジョンの入り口はこの建物の奥部屋にあって、そこから地下に潜るんだ」
「へぇ! この建物の下にダンジョンがあるんだ!? キャワワッ! ふっしぎぃ~♪」
あたしがキャワワッ語を使うと、守衛のおっさんの顔が引きつってしまった。ので、アタシは慌ててアレスくんの手を握って合図する。
アレスくんは、フードから少し顔を覗かせて、おっさんの顔を上目遣いに見ると、
「ふ……ふしぎだなぁ」
と棒読みした後、おっさんにニコッと笑顔を向けた。
ズキューン♥
という音が聞こえたかと思うと、守衛のおっさんの顔面が溶けてるんじゃないかと思うくらいに相好を崩していた。
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