第23話 ようやくミシャパと分かり合えただろ!
アタシが視界に映し出されたステータス情報を見て関心していると、
(おそらくレベルが表示されている項目については、お前の鍛錬によって能力が上昇していくはずだ。今、見ている【ステータス】についても、レベルがあがればもっと詳しいことが知れるようになるかもしれん)
そうなんだ。
ステータス表示! アタシは前世で遊んでいたゲームで見慣れた画面に心をワクワクさせていた。スキルとしては地味かもしれないけど、これこそ異世界転生の定番!
しかもパーティー登録すれば仲間のステータスまで見れるなんて、ちょっとした鑑定スキルみたいなもんだし!
ありがとミシェパ! アタシにこんなスキルがあるなんて、ずっと知らなかった! ミシェパがいなかったら、知らないまま死んでたと思う。
(ふふ♪ どういたしましてだな。お前と出会えていなければ、アレスヴェル様を守り切れず無念のうちに死んでいたことだろう。こちらこそ感謝しているぞ)
ミシェパは、これからはお互いアレスくんを守るって目的を同じくする同志だね。
(そうだな)
アレスくんを「可愛く着せ替えて愛でる会」の同志だね。
(であるな!)
アレスくんは可愛い!
(アレスヴェル様のメイド服姿、最高!)
アレスくんは、アタシの嫁!
(断固として否!)
やっぱり、そこは分かり合えないか。
(当たり前だ! アレスヴェル様が将来魔王になるにせよ、他の何かになられるにせよ。その傍らに立つのはこのミシェパとミシェパが認めたものをおいて他にない!)
ってことはアタシじゃない? だってミシェパはアタシの頭の中にいるんだし。
(うっ! それはそうなのだが……)
ちなみにお伺いしますけど、ミシェパが見えるのはアタシが見ているものってことだよね。
そう言って、アタシはベッドに近づいてアレスくんの顔を眺める。
アレスくんの真っ白なほっぺたがスーッ、スーッと、静かな寝息と共に微かに動く。
天使! 天使が眠っておられる!
(ほわわわ! アレスヴェル様カワユス! もっと、もっと近づいて見てくれ! あっ、今の質問だが正確には「シズカが見たもの」だけではなくて「シズカが強く思ったもの」も見えるな)
そうなんだ。ということはだよ。アタシがいま目を閉じて、気合を入れて岩トロルの交尾シーンを思い浮かべたりしたら……。
(き、貴様は鬼か!? そんなもの見せるなよ!? いいか絶対に絶対だぞ!)
くふふ♪ これはもう認めるしかなくなったね!
アタシがアレスくんの隣にずっと立っていられるということが、ミシェパの願いにも完全に沿ったものであるということを!
(くっ! ……確かにお前の言通りだ。私はお前を通してしか「見る」ことはできん。なのでアレスヴェル様の顔をもっと近くでよく見てください。お願いします)
くふふふ♪ わかればよろしい。
こうしてお互いに分かり合えたアタシたちは、深夜遅くまでアレスきゅんをじっくりと観察し続けたのであった。
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