実家を追放されたオッドアイの魔眼【予知・解読】持ちは第三王女と世界最強を目指す~古代文字を解読したら精霊と契約することができました!世界の理が分かってから戻って来いだって? もう遅い!

煙雨

1.1章 世界の理

第1話 実家追放

「お前なんて産まなければよかった」


 突然、父親であるシャック・ロードリックに言い渡された。


「え......?」

「なんだその顔は! お前みたいな忌み子なんて産まなければよかったと言ったのが聞こえなかったのか!」

「......」


 父さんから言われたことで、頭の中が真っ白になっていた。俺を産まなければよかった......? 


(なんで、なんでそんなこと言うのですか......)


 親や兄に嫌われていたことはわかっていた。だからこそ、貴族であるロードリック家に迷惑をかけないように努力してきたつもりだったのに......。


「その眼はなんだ! 右目は青色で左眼は赤色! そんな人間見たことが無い! お前は魔族の蘇りに決まっている」

「で、ですが街の人たちは何も言ってきません!」


 俺が異常なのはわかっている。普通の眼は、左右同一色であるのに対して、俺はオッドアイであるのだから。だけど父さんはこう言ってきたが、街の人は何一つ俺に対して奇妙の目で見てこなかった。


「それはお前のことを、子供のころから知っている住民が多いからだ。住民たちは慣れてしまっているだけ。だからお前は兄であるザイトみたいに他国には連れて行かなかったんだ!」


 俺が黙りこんでいると父さんが続いて言ってくる。


「確かリアムは冒険者に登録しているよな? その時、冒険者たちはどんな風にお前を見ていた? 奇妙な目で見ていなかったか?」

「......」


 言われてみればそうだ。住民の人たちは俺の事を奇妙な目で見てこなかったが、初めて会った冒険者たちは俺の事を異様な存在として見てきていた。


 その時、部屋にザイト兄さんが入ってきた。


「リアム、お前も十五歳になったんだ! 父さんの言う通り、汚点であるお前を育てる理由は無いんだ。とっとと出て行け」

「ザイト兄さん......」


 ザイト兄さんが言った後、父さんと兄さんの二人は、軽蔑する目でこちらを見てくる。


「わかっただろうリアム。お前はこの家の汚点。早く出て行ってくれないか?」

「......。分かりました」


 何も反論することができないまま、俺はこの家を追放された。


(俺はこの家にとって、存在してはいけなかったんだな......)



 実家を追放された後、何も考えられずに街中を歩いていた。


(なんでこんな眼なんだ!)


 俺がこんな眼さえしていなければ、実家を追放されることなんてなかった。もっと平穏な生活が遅れていたかもしれない。


 この眼に何かしらの意味があればよかった。だけどこの十五年間、この眼の実力が発揮されたことなんて無かった。


(はぁ~)


 自分自身を恨んだ。こんな人生を送るんだったら父さんに言われた通り、産まれてこなければよかった。


 だけど結局は後の祭り。もう戻ることのできない。


「生きて行くためには冒険者として仕事をするしかないよな......」


 不幸中の幸いで、実家に暮らしていた時から冒険者として少し活動していたため、クエストを受けることはできる。


 足取りが重くなりながらも、冒険者ギルドに向かった。中に入ると真っ先にクエストボードを確認する。


・ゴブリン退治

・コボルト退治

・商人の護衛

・ダンジョン探索

・薬草採取


 現状受けられるクエストを一通り見た後、ダンジョン探索の紙を手に取り、受付嬢に渡した。すると、先程まで気だるそうにしていた顔が一変、満面の笑みに変わった。


「リアムさん、本日はダンジョン探索ですか」

「はい」

「ですが、リアムさんはパーティを組んでいないので、ダンジョン探索は危険ですよ?」

「わかっています。でもお願いします」


 昔の俺なら受けることは無かっただろう。なんせ、お金に困っているわけではなかったし、冒険者としても楽しくやれればいいと考えていたから。


 だけど、何も無くなってしまった俺に選ぶ選択肢なんて無い。選べるクエストの中で一番報酬が高いクエストを受けるしかないんだ。


「わかりました。お気を付けくださいね」

「はい。ありがとうございます」


 受付嬢にクエストを受理してもらって、俺はダンジョンに向かった。



 街から数日が経ち、やっとダンジョンを見つけることができた。


(見た目通りダンジョンって感じなんだな)


 昔作られた建設物が崩壊して、地下につながる階段が見えていた。俺は、あたり一面を見ながら驚いていると、一人の女性と目が合う。


(きれいだ......)


 耳が長いってことは、エルフなんだろうか? 実際にエルフなんて見たことがなかったが、それでも噂通りの美少女であった。


すると、その女性は驚いた顔で俺を見て来ていた。


(??) 


 それにしてもこの人は何をしに来たんだろう? 俺と一緒で、ダンジョン探索なのかな? 俺はエルフらしき女性に一礼した後、ダンジョンの中に入って行った。

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