高校生デザイナー

バブみ道日丿宮組

お題:理想的なデザイナー 制限時間:15分

高校生デザイナー

「そういえば、君だいぶ大っきくなったね。ずるいよ」

「そうかな? ただの成長期というか、君が成長しないだけじゃないの?」

「それはあるかもしれないけどさ。どうして私は小学生の頃から身長も胸も成長しないの?」

「遺伝とかかな? でも、おばさん結構胸あるし、おじさん背高いよね」

「……じゃぁ遺伝じゃないじゃない」

「そうかなぁ。まぁ何にしても成長してないことによって、生計が成り立ってるんだからよしとしなきゃダメじゃないかな。高校生からデザイナーなんてすごいと思うな」

「ねぇ私が大きくなったら嫌いになる?」

「そんなことはないよ。大きいのも小さいのも好きだし」

「それって好きってことじゃない気がするな。私が巨乳だったら、おっぱい好きにいじれるんだよ?」

「おっぱいなくても好きにいじってるよ」

「……そうだった。でも、ないよりあったほうが感触がいいでしょ?」

「柔らかさは変わらないと思うな。ボリュームは増えると思うけれど、君は君でいいよ」

「そっか」

「今回もかなりファンレターきてるね。ロリータファッションの革命家さんへだって」

「その名前はあまり嬉しくないかも。こっちは肉体的デメリットから生まれたアイディアをただ仕事としてるだけなのに」

「一種の才能だと思うけどね。ファッションデザイナーなんて簡単にできるものじゃないよ」

「そうだけどさー。なんか釈然としないんだよ」

「自分で試せるんだからある種理想的なデザイナーだよね」

「おっきなサイズは君が着てるしね」

「女装されられてるのは理不尽だけど」

「恋人の頼みなんだから聞いてよね。それに可愛いよ」

「嬉しくないなぁ。かっこいいとかならいいのだけど」

「スカートが似合う男子高校生なんてなかなかいないよ」

「……頭痛がするよ」

「今度ロリータファッションじゃないのも試しに着てみてほしいな」

「それは趣味として?」

「経験かな」

「いや……そんな経験はいらないよ」

「こっちのだよ。見るのと想像するのじゃだいぶ違うもの」

「そういうものなのかな……」

「その分いろいろやらせてあげるから、許してよ」

「じゃぁ、今度スク水着てみて」

「え? え? そんな趣味あったの?」

「似合いそうだから、撮影してスマホに保存しておこうって」

「……逮捕されるよ」

「恋人なのに? 大丈夫だよ」

「うーん……無理させてるかもしれないし、わかった。小学生の頃のがまだあるから着てあげる」

「よし。じゃぁ、そろそろ脱いでいい?」

「もうちょっと撮影させて。何かがひらめきそうだからさ」

「はぁ……わかったよ」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

高校生デザイナー バブみ道日丿宮組 @hinomiyariri

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る