第3話

僕は、雨が好きだ。

なぜって、一人一人に平等な孤独を押し付けている気がするから。

バス停の屋根にあたる雨粒は大きいのか酷く杜撰なリズムを刻む。でもそれがまた心地よいのが雨なのだ。


よって僕は、雨と孤独は対なのだと思った。



バスが音もなく僕の前まで来て、

おまたせしました

と車内アナウンスが流れた。

車内から見た外は雨が降っていて、薄暗い車内は、薄気味悪くてどこか遠い世界へ連れてかれてしまいそうだった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る