255話 恐怖の象徴-6

「分かった分かった。なら、俺も譲歩しよう。……そうだな。水不足で死なせるのも可哀想だから、いっそのこと一気に殺してしまおうぜ」


「え?」


「反逆者の領主一族に加え、あの地方に住んでいる愚民どもも皆殺しにするのさ。水不足で苦痛と共に死なせるよりは慈悲深いだろう? どうだ、名案じゃないか?」


 俺は目を輝かせる。

 そんな俺とは対照的に、レスティの表情は曇っていた。


「そ、それは……」


 レスティは青ざめながら、俺を見つめた。

 そんな彼女に俺は告げる。


「不服か? なら、お前も――」


「い、いや! なんでもない!! さ、さすがはご主人だぜ!!」


 レスティは俺の言葉を遮ると、そのまま走り去ってしまった。

 どこか怯えていたような様子だったな……。

 まぁいいさ。

 分かってくれたならいいだろう。

 時間が経てば、ルーシーも回復するはず。

 俺たちの未来は輝いているぜ!!

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